【カスタム車紹介】MCジェンマ GPZ900R(カワサキ GPZ900R)フルオプション版フレーム加工に余裕のエンジンを積む
エンジン仕様の選択によっても高められる扱いやすさ
GPZ900Rニンジャの前期16/18インチ、後期17/18インチという純正のディメンションを前後17インチタイヤが履けるように変更し、現代化する。そのためにスイングアームピボット位置を下げることを主とした「JCG-N」というフレーム加工を提案するMCジェンマ。 【写真はこちら】MCジェンマがカスタムした「GPZ900R」の全体・各部(8枚) その加工はというと、純正スチールダイヤモンドフレームのスイングアームピボット部の下に部材を追加して強度を確保した上で、ピボット位置を20mm下げることが基本。水平も出し、進行方向に対しての直角も出す精密な再穴開け加工となる。フロント側エンジンハンガーもマウント穴を貫通してカラーを挿入・溶接してハンガー部を潰さず、締結の確実性と締結後の剛性を高める。またJGC-Nフレームにはオプションとしてショックマウントの位置変更も可能、さらに補強はオーナーの使い方などで柔軟に対応するというバリエーションもあり、オーナーそれぞれに合う車体が構成できる。 この黒×グレー×ピンク外装の車両は、そのJCG-Nフレーム加工+オプションを施した車体を持った1台。コンパクトなシリンダーヘッドカバーを見て分かるように、エンジンも換装されている。 「ZZR1200用ベースで、ZZRはダウンドラフト吸気なのでシリンダーヘッドをホリゾンタル吸気のZRX1100用に載せ替えています。ZZRは純正で6速ミッション、また圧縮比も高いなどのメリットがあります。フレームはJCG-Nフルオプションで、ショックマウントは削り出しのアタッチメントを使うことで位置を変更しています。ノーマル位置のアレンジでなく、理想の位置にアッパーマウントが来るようにです。ノーマルでは二人乗り用に急に立ち上がってしまうというリヤサスの特性を緩和して、最初から最後までスムーズに動く感じになっています」とMCジェンマの石田さん。 なるほど、こんなオプションもあるというのは奥が深い。エンジンもNinja純正に同じ6速を使いながら排気量でトルクの余裕を作り出したということだ。 乗りやすさを別アプローチのエンジンで実現したとも取れる車両。ライダーが触れる箇所はいずれも可変にしているという点も、同店デモ車と共通だ。シートはMCジェンマSLSシートのうち、+10mmの標準よりさらに20mm座面の高い「高座」を使っているが、それもオーナーの体格に合わせてのこと。 このJCG-Nフレームをショップ車両(もちろんNinjaだ)の軸に据えるという石田さん、自身もひとつやってみたいこともあるという。それは「JCG-Nフレームでノーマルルック、かつ軽いニンジャの製作」。Ninja40周年となった今(2024年)、原点回帰でのノーマルルック。でも、重くなく、軽く仕立てる。それをまずは1台製作して、堪能してみたいという。 使うパーツこそあれこれ考えるだろうが、この車両のエンジン仕様やフレーム加工オプション、ほかにも作られたNinjaヘッド1108cc仕様車などでも分かるように、石田さんは多くの選択肢を持っているし、知っている。そこから作られるノーマルルック×JCG-Nニンジャの姿はぜひ見たくなる。
ヘリテイジ&レジェンズ編集部