【HiHi Jets・猪狩蒼弥】映画『先生の白い嘘』で“性”にトラウマを抱えた高校生を演じ「偉そうなことは言えないけど、考えるきっかけになれたら嬉しい」
男女の間に存在する“性の格差”を描いた鳥飼茜の衝撃作『先生の白い嘘』。物語の鍵を握る難役に挑んだHiHi Jetsの猪狩蒼弥さんが、作品への深くセンシティブな想いを語ってくれました。 【HiHi Jets・猪狩蒼弥】高校時代はどんなタイプだった?
性の不条理を感じていない人にこそ、見てもらいたい一作
ViVi:グループを飛び出して単独での映画出演は今作が初めてとのこと。それも、強烈な性のトラウマを抱える高校生という難役。オファーがきたときの気持ちはいかがでしたか? 猪狩:ちょうどコロナ期で仕事も落ち着いていて。映画に出られると聞いて、嬉しかったです。でも原作を拝読して、めちゃくちゃセンシティブな役どころだと知って。僕はそれまで事務所の仲間がいる作品にしか出演したことがなかったんですけど、「これはまわりの方の胸を借りるとか言ってられない作品だな」と、ものすごいプレッシャーを感じました。 ViVi:猪狩さん演じる新妻祐希は、奈緒さん演じる担任の原美鈴と性に関する本音をぶつけ合い、やがて絆が生まれていくというとても難しい役どころですが、どのように役作りされたのでしょう? 猪狩:とにかく監督に、すがるようにいろんなことを聞きました。新妻を演じようとしてはダメだ、新妻でいなきゃと、見た目も撮影前から作り込みましたね。たとえば新妻なら髪を整えないだろうと思い、当時ライブ中だったんですけど、前髪も切らなかったし毛量も減らさなかった。喋り方も、僕はラップをやっているのもあって普段から早口なんですけど、その期間はずっとゆっくり、自信なさげに話していました。
ViVi:実際の猪狩さんの高校時代は、新妻とは……。
猪狩:完全に逆です。勉強は好きだったけど、はしゃいじゃうタイプだったので、普通に楽しんでいましたね。 ViVi:そんな自分になぜ今回、オファーが来たのか、どうお考えですか? 猪狩:たしかに新妻って、イメージで言うとメンバーの作間龍斗とかのほうが近いと思うんです。でも最終的に僕にオファーしてくれた。だから何でかなんて聞く必要はないと思って。「猪狩を選んで良かった」と思ってもらえることだけが重要だと思って、撮影にのぞんでいました。 ●INFORMATION. 『先生の白い嘘』 原作は累計発行部数100万部を突破した鳥飼茜の同タイトル漫画。高校教師の原美鈴(奈緒)は、親友・美奈子(三吉彩花)の婚約者である早藤(風間俊介)との関係を隠しながら、教卓の高みから生徒達を見下ろし観察することで、密かに自尊心を満たしていた。しかし、平穏を装った彼女の日常は、自分が担任する男子生徒・新妻(猪狩蒼弥)の事件をきっかけに崩れ始める……。7 月5 日より全国公開。 Ⓒ2024「先生の白い嘘」製作委員会 ©鳥飼茜/講談社 ●PROFILE 猪狩蒼弥 2002年9月20日生まれ。東京都出身。5人組アイドルグループ、HiHi Jetsのメンバー。バラエティ、ドラマ、映画など幅広く活躍中。公開待機作に映画『恋を知らない僕たちは』がある。 ----------- Photo:Sho Imaizumi Styling:Youjirou Kobayashi Hair&Make-up:Yousuke Asazu Interview&Text:Naoko Yamamoto
講談社 ViVi