ソフトバンクからロッテへFA移籍 石川柊太が新天地を選んだ「3つの決め手」
「25試合、それ以上を投げる覚悟でここに来ることを決意した」。国内フリーエージェント(FA)権を行使し、ソフトバンクからロッテに移籍した石川柊太投手(32)が、19日に行われた記者会見で新天地での意気込みを語った。2020年に最多勝などのタイトルを獲得した右腕を巡っては、巨人やヤクルト、オリックスなども獲得に乗り出し、複数球団による争奪戦となっていた。ロッテへの入団の決め手となったのは「指揮官の熱意」「現場とフロントとの一体感」「背番号」だった。 ■伝わった「熱意」と「一体感」 「去年の時点でFAになるのは知っていて、来てほしいと思っていた。大活躍を期待している」 会見に同席した吉井理人監督の言葉をかみしめるように聞いていた石川柊。複数の球団が獲得に名乗りを上げる中、ロッテへの移籍を決断した決め手は何だったのか。石川柊は自らの思いを会見で隠すことなく打ち明けた。 「吉井さんも先ほどおっしゃったように、FAをとるのを分かっていた上で見ていた、という言葉は響いた」と話すと、続けて「現場とフロントとの一体感。自分の中ではそれが一緒に伝わったのが大きかった」と率直に語った。 吉井監督も石川柊の言葉に呼応するように「先発投手として1年間投げてくれる投手だというのは知っていた。(長い)イニングも投げられるのは分かっていたし、マリーンズには必要な選手。(交渉では)少し話を盛りましたけど(笑)」とジョーク交じりに話すなど、獲得への確かな意思と熱意を右腕に伝えたことを明かした。 球団はオフに入り、今季10勝を挙げた佐々木朗希投手について、ポスティングシステムを利用した米大リーグ挑戦を容認。先発投手の補強が喫緊の課題だった球団にとって、石川柊の獲得は文字通り待望の補強だった。 ■背番号21には「意味を感じる」 選手のもう一つの「顔」でもある背番号は「21」に決定したが、この背番号は今季まで吉井監督がつけていた。新たな背番号についても、右腕にとっては好印象だったようだ。 指揮官は「(背番号21は)誰か活躍した選手に元々あげようと思っていた番号」といい、「(選手は)毎日ユニホームに袖を通して背番号を見る。機嫌良く野球をやってほしいと思い『(背番号21を譲ることについて)いいよ』と(交渉の中で)言った」と打ち明けた。