サイクロン死者「数千人ではなく数十人」 仏首相
【AFP=時事】フランスのフランソワ・バイル首相は22日、インド洋上のフランス海外県マヨット(マホレ)を今月襲ったサイクロン「チド」の死者数をめぐる「大げさ」な主張を激しく批判した。 【写真】サイクロン直撃の仏マヨット島、衛星写真で被災前後を確認 バイル氏はニュース専門局BFMTVに対し、死者数は「数千人ではなく数十人」になるとの見方を示し、「提示されている大げさで時にぞっとするような数字は、実際には証明されないだろう」と主張した。 公式発表では、チドによって少なくとも35人が死亡、約2500人が負傷したとされている。 しかし、マヨット県知事は15日、チドによる死者は「間違いなく数百人」いると推定。負傷者は「数千人」に上る可能性があるとの認識を示した。 マヨットがチドに見舞われて以来、今も救助隊が入ることのできていない到達困難地域に集団墓地があるのではないかとのうわさが広まっている。 死者数が疑問視されているのは、犠牲になった可能性のある人の多くが簡素な小屋に住んでいたこと、そして死者を死後24時間以内に埋葬するというイスラム教の伝統に関連している。 チドで破壊されたスラムには、イスラム教を国教とする隣国コモロの出身者が多く居住していた。 エマニュエル・マクロン大統領は19日にマヨットを訪問した際、死者数は初報の数字を越える「可能性が高い」との見通しを示した。 現地では今も、行方不明者の捜索が続けられている。 アフリカ南部モザンビークの災害対応当局によれば、同国もチドに見舞われ、少なくとも120人が死亡した。【翻訳編集】 AFPBB News