いわゆる「106万円の壁」といわれるパートの人などが厚生年金に加入する収入の要件に関して、撤廃するかなどが厚生労働省の部会で議論されました。 現在、学生以外のパートやアルバイトの人など短時間労働者が、企業の厚生年金に加入する要件は、従業員数が51人以上の企業で、週20時間以上働き、賃金が月8万8000円以上、つまり年収にしておよそ106万円以上であることです。 厚労省の年金部会では15日、このうち、収入や企業規模の要件を撤廃するかなどを議論しました。短時間で働く人も、企業の厚生年金に加入することで、将来受け取る年金額を増やし、老後の安定につなげるのが目的です。 年金部会では、企業規模の要件撤廃については、賛成の声が多数を占めました。また、収入要件については、最低賃金の引き上げなどで、週20時間働いた時点で、年収106万円を超える人が増えている実態もあり、収入要件を撤廃すべきとの意見が多く出されました。 一方で、障害者などは最低賃金よりも低い金額で働いている場合もあるとして、収入要件の撤廃には配慮が必要だ、など、要件の変更に慎重な意見も出されました。 また、会社員などの配偶者で、年収が130万円未満の人は、社会保険料を免除される「3号被保険者」の縮小も議論されましたが、意見はまとまらず、「ただちに見直す」という方針は打ち出されませんでした。 厚労省は、4年に1度の年金制度改正にむけ、年金部会での議論を年内にとりまとめることを目指しています。