<頂きへ!・センバツ2023大垣日大>「パワーもらった」お返しに置物40個 土岐の水野さん贈る /岐阜
第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社・日本高校野球連盟主催)に出場する大垣日大にエールを送ろうと、土岐市泉町定林寺で陶磁器の石こう型を作る製型所を営む水野利彦さん(80)が、縁起が良い亀と竜を合体させた姿のオリジナルの置物を贈った。気持ちがこもった贈り物に野球部員たちは喜び、甲子園での健闘を誓った。 水野さんがプレゼントを思い立ったのは、自身の誕生日である1月28日だった。その日の朝刊を開くと、センバツ出場を決めて歓声を上げるナインの写真が載っており、「80歳になってもまだまだ頑張るぞとパワーをもらった」。26歳の時に創業した「かね利 水野製型所」が多くの人に支えられてきたこともあり、「社会への恩返し」との思いも込めて無償で贈ることにした。 今回の置物は、仕事の技術を生かして制作。石こうの型に流し込んで乾燥させた土を約900度の窯で6時間ほど焼き、金色のスプレーをかけて仕上げた。置物は高さと幅が8センチ、奥行き4センチ。亀と竜を組み合わせたのは「亀のように着実に歩を進めて勝ち、竜のように上まで昇ってほしい」との願いを込めたからだ。部員全員とコーチら宛てに計約40個用意した。 置物を受け取った桜井温大(はると)投手(2年)は「自分たちのために作ってくれたので、素直にうれしい。甲子園でも笑顔でプレーする大垣日大の野球を見てほしい」と話し、二木(ふたつぎ)啓太外野手(同)は「センバツ出場は自分たちだけのことではなく、いろいろな人の支えや思いがあると改めて分かった。全力でプレーしたい」と意気込んだ。 水野さんは「テレビで試合をしっかり見たい。もちろん勝ち進んでほしいけれど、けがなく戦って、笑顔で帰ってきてほしい」と話した。【黒詰拓也】