収束見えない香港デモ 「一国二制度」の行方は?
香港のデモに参加する市民らが要求しているのは、身柄引き渡し条例改正案の完全な撤廃、すでに拘束され中国本土で拘留されている人たちの香港への送還、林鄭月娥(キャリー・ラム)香港行政長官の辞任だ。中国政府報道官は今月6日、香港のデモについて言及し、「火遊びする者は火によって滅びるだろう」とデモ参加者に警告を発した。現時点で人民解放軍の投入は現実的ではないが、デモがさらにエスカレートした場合には中国本土から「援軍」がやってくる可能性はゼロではない。デモ隊の要求は、落としどころを含めて、どこまで通るのだろうか? 香港ではすでに300人以上が逮捕され、1000発以上の催涙弾が発射されている。
------------------------------ ■仲野博文(なかの・ひろふみ) ジャーナリスト。1975年生まれ。アメリカの大学院でジャーナリズムを学んでいた2001年に同時多発テロを経験し、卒業後そのまま現地で報道の仕事に就く。10年近い海外滞在経験を活かして、欧米を中心とする海外ニュースの取材や解説を行う