箱根駅伝を観て「おっと、ウチの母校は何位かな?」 学生スポーツが盛んな「名門大学出身者」のふるまいにイラっとする
帝京も強豪ですからね
冬になると学生スポーツが花盛りとなるが、スポーツ中継・ニュースにしらける自分がいる。何しろ自分が関連した学校はいずれも超弱小のため、駅伝、ラグビー、アメフト、サッカー、バレーボールなど、冬の時期に母校愛をくすぐられるような経験をしたことがないのである 【写真】溢れ過ぎた母校愛に違和感も…2023年、107年ぶりに甲子園で優勝した慶應義塾高校のホームページ
正月、誰かの家に集まると「母校が出てるからさ(誇らしげにニヤリと笑う)……」と箱根駅伝やら、大学ラグビー選手権の試合をテレビで見始める人がいる。「〇〇さん、早稲田大学だったんですね、頭いいんですねー!」なんて言われようものなら「まっ、運ですよ」なんてやり取りをするのもチクショー、なんか羨ましい。試合に勝ったら勝ったで「おめでとうございます!」と祝福され、「いよいよ決勝ですね」なんてことを言ってもらえる。 しかし、「帝京は強いので、ウチの大学もさすがに決勝ではどうですかね……」とこれまた冷静にポツリとつぶやき、ニヒルでクールなオレ、を徹底的に演出できるのである。 また、関口宏氏がMCを務めていた頃の「サンデーモーニング」(TBS系)でも同じような空気感があった。スポーツコーナーは大学スポーツを多数取り上げる傾向があったが、関口氏は登場する早稲田や明治といった大学の出身者に「あれ、〇〇さんは早稲田でしたよね。強いじゃないですか」などと振る。振られた側は露骨に嬉しがるのも憚られるのか、「まぁ、決勝相手の帝京も強豪ですからね、いい試合を見せてもらえれば、と思います」なんて大人なコメントをする。
細部にアピール
そこで関口氏は大学論議を終わらせず「それにしても私の行った立教は、なかなか勝てないですね」なんて言ったかと思えば、同じく立教出身の出演者に「ねぇ、××さん」と振り、その場が再度盛り上がるのである。 この手の「大学論議」をする人間の傾向というのはメディアの世界でも、一般の世界でもなんとなく傾向が見えて来たのだが「文武両道の学校出身者」であることが一つだろう。具体的には、早稲田、慶應、明治、青山学院といったあたりだ。「ウチの大学は頭がいい上に、スポーツも強いんだからな。大学入学後、早慶戦を神宮で見た時は震えたね。終わった後は高田馬場まで皆で校歌歌いながら歩いたなぁ~」なんて甘美な思い出を語る。 どことなくこれら一流校出身であることを細部にアピールしてくるのである。その一方、決して偏差値が高いと言えない大学の出身者は謙虚である。同様にテレビで試合を見ていて、その大学の強さを称えたらこんなことを言う。 「いえ、ウチの大学なんて脳味噌筋肉バカばかりしかいません。中学からラグビーばかりやっていた社会生活に慣れてない人間だらけのため、その点で強くてもそれは当たり前です」