令和の大学生は忙しい!?親世代とは異なる大学生活&お財布事情
現代の大学生が忙しい理由とは?
大学生は時間にゆとりがあるというイメージが世間においてあります。特に、文系の学部に在籍する学生はこうしたイメージを抱かれる傾向にあるでしょう。 フリーダムなイメージが強い大学ですが、文系の学部も含めて自由度は年々下がり、負担は増大しています。現在は、単位を取得するにあたっての前提条件として、出席数を基本的にクリアしなければなりません。 もちろん、出欠確認も行われます。このため、講義をさぼって遊んだり、アルバイトをしたりしていれば留年の危機に陥ることもあるでしょう。 また、かつては教員の都合で休校になった講義は振替がないことも珍しくありませんでした。しかし、現在は講義回数の厳格化によって教員側の都合で休講になった講義は別の日に開講されます。 また、教員側も講義を最優先にしている傾向にあり、学会参加を理由に講義を休講にする教員(自身が発表する場合などを除く)はほとんどいません。 さらに、学生の社会性やコミュニケーション力の向上をねらい、グループワークを取り入れた講義が増えています。教員による一方通行型ではなく、学生が主体となるため、講義における積極的な参加が不可欠です。 近年では教員と学生との距離の近さをウリにしている大学も多く、大学でも手厚い教育を受けられる傾向にあります。その分、学生の自由度は下がり、勝手な行動が指導の対象となったり、レポートなどの課題が増えたりしています。 就職活動も大学生を忙しくしている要因です。現代において大学1年生から参加できる企業見学会や社員面談、インターンシップなどは多々あります。こうしたイベントに参加すれば、アルバイトに割ける時間が減ります。
まとめにかえて
大学での勉強や就職活動の負担が増していることからも、月に10万円以上のアルバイト収入を得たり、長期休暇はアルバイトばかりするといった生活は難しい傾向にあります。 筆者は都内の大学に10年ほど出入りしていますが、大きな変化を感じるのは学生のファッションなど外見に関する変化です。 筆者が大学生の頃は学生のファッションは華やかで、ハイブランドのバッグを持っている学生の姿も目立ちました。しかし、ここ10年以内の間に学生のファッションは急速にカジュアル化したと感じます。 かれらが堅実であることやファッション以外のことへ関心を寄せていることが外見からも伝わってきます。 こうした背景には、実家の経済事情の悪化、物価高、勉強や就職活動の負担の増大などもあると考えられます。 かつてのように、大学の講義よりもアルバイトを優先したり、勉強よりも遊びにウェイトを置いたりすることが難しくなってきています。 大学の学費を子どもに任せてみたものの、支払日までに貯められなかったとならないよう、よく考えておく必要があります。
参考資料
・独立行政法人日本学生支援機構「令和2年度 学生生活調査報告」
西田 梨紗