楽天がゴームズ入団を発表。人格最高のリーダーは楽天を変える男になる?!
トレードマークだった髭は、ゴームズの他にも同僚のオルティーズ、ペドロイア、ナポリら主力が蓄えていたこともあり、他の選手も追随。髭軍団として快進撃を加速することになる。そのシーズン、左翼はダニエル・ナバ外野手と交互に守っており、レギュラーではなかったのにも関わらず、劇的サヨナラ本塁打や勝負所で活躍し、圧倒的な存在感があった。ワールドシリーズ第4戦では、カージナルズの勢いを止める逆転3ランを放ち、ヒーローになっている。悲願の優勝パレードでは、事件の起きたマラソンゴール地点で停止して、優勝トロフィーと「617」のユニフォームを捧げ置くなど、その感動的なパフォーマンスでも注目を浴びた。 「ゴームズの存在は、チームで本当に大きかった。彼には正しいことを、正しいタイミングで伝えることができる才能があった。レギュラーではなかったが、優れたリーダーだった。彼は、まわりの皆に、俺たちはやれる!と信じさせることができる男だった」と、レ軍のファレル監督は後にゴームズについて語っている。 ベンチで采配を思案していると「勝ちたいんでしょ?」と、監督の背中を押すようなこともあったそうだ。 昨季は8月末にトレードでロイヤルズに移籍。出場機会に恵まれず、プレーオフの登録メンバーから外れたが、チームが30年ぶりに世界チャンピオンに輝くと、優勝パレードでは群衆の前で感動的なスピーチを行い話題をさらった。ファレル監督が認めた“弁論のセンス”が改めて際立ったパフォーマンスだった。 幼少期に両親が離婚、兄と共に母の手で育てられた。家賃が払えずシェルターで寝泊まりしたこともあり、食べ物に困るほど貧困の日々を送ったという。16歳の時には交通事故で、一緒に後部座席の隣に座っていた親友を失い、22歳の時には心臓発作を起こして死の淵をさまようなど、波乱万丈な人生を送ってきたが、そんな数々のタフな経験がゴームズに独自の人生観を与え、リーダー、また、ムードメーカーとしての素養を培う土壌になったのかもしれない。新天地でも、持ち前のリーダーシップを発揮して、チーム改革の旗手となるか。 チームの安部井寛チーム統括本部長も「数年前から追い求めていた選手です。長打力のある打撃と野球に対する熱い想いを持っています。野球人としてだけでなく一人の人間として魅力があり、人間味に溢れた選手です。闘志溢れるプレーで、チームの中軸として活躍することを期待しています」と期待を寄せる。 梨田監督は、髭を剃ってもらうような発言をしているが、その部分に関しても、どうなるか注目。仙台で“ゴームズ旋風”が巻き起こるかもしれない。