タイ生産の高級SUV「アバター11」右ハンドル車をグローバル展開 約925万円から 来年英国導入も
タイをグローバル戦略の基盤に
中国のEVブランド、アバター(阿維塔、Avatr)は2025年までに右ハンドルの英国市場への導入を目指している。 【写真】存在感あるデザインの高級電動SUV【アバター11を写真で見る】 (14枚) アバターは、バッテリーメーカーのCATL、自動車大手の長安汽車、IT大手ファーウェイ(華為)が2020年に立ち上げた合弁会社である。 9月には、ブランド初の右ハンドルモデルである中型SUV「アバター11」をタイに導入した。このタイを中心に、右ハンドル車のグローバル展開を目指す。 ブランドを率いるチェン・ズオ社長は、「タイをアバターのグローバル化戦略の橋頭堡にできると確信している。他の東南アジア諸国や世界の右ハンドル市場にも進出していく」と述べた。 アバターはドイツ・ミュンヘンに2021年にデザインスタジオを設立しており、親会社の長安汽車も同市に販売・マーケティング拠点を置いている。 英国にも導入される可能性が高いアバター11は、BMW X5に近いサイズの高級電動SUVだ。長安汽車の「EP1」プラットフォームをベースに750Vの電気アーキテクチャーを採用。ファーウェイが開発した2基の電気モーターを搭載し、四輪駆動で合計出力580ps、最大トルク66kg-mを発生する。 タイ向けの価格は、容量90.4kWhバッテリーを搭載した航続距離390kmのモデルが209万バーツ(約925万円)から、116.8kWhで航続距離675kmのモデルが223万バーツ(約990万円)から。 当初、アバター11の右ハンドル車は中国の重慶で生産され、来年初めにタイ工場に移される。その後、グローバルへの輸出が開始される予定である。 また、セダンの「アバター12」と小型SUVの「アバター7」をノックダウン(KD)方式でタイで生産し、アセンブリは中国から出荷する計画だ。 右ハンドル市場に重点を置くのは、長安汽車がバーミンガムの研究開発センターを通じて英国でのプレゼンスを高めているためだ。今年初め、長安汽車はディーパル(深藍、Deepal)ブランドを英国に導入し、タイ生産のSUV「G318」を発売すると発表した。
グレッグ・ケーブル(執筆) 林汰久也(翻訳)