知らずに「脱税していた」なら笑えない…競馬は「勝ち額いくらから」課税対象になるのか【税理士が解説】
ギャンブルで稼いだお金に税金はかかるのでしょうか? 松本崇宏氏(税理士法人松本 代表税理士)が、「競馬」に関する税金について解説します。
「競馬で稼いだお金」に税金はかかる?
YouTube『税理士松本 ~税金の裏のウラ~』>> 皆さんはギャンブルをしたことがありますか? 私は以前、友人に連れられて競馬場へ行ったことがあります。競馬というと酔っ払いのおじさんが楽しんでいるイメージを持っていましたが、実際の現場は綺麗で家族連れも多く、とても驚きました。 ギャンブルで稼いだお金に税金はかかるのでしょうか? 今回は「競馬」に関する税金の話をしたいと思います。
競馬の還元率は意外と高め
まずは競馬の仕組みから見ていきましょう。 まずは勝馬投票券、いわゆる「馬券」を購入します。この馬券収入から運営会社の取り分などを差し引き、レース結果を的中させた方に払戻しを行います。 中央競馬(いわゆるJRA)のホームページには、馬券100円のうち約75円が払戻金に充てられ、差し引かれた25円のうち、約10円は税金として国庫へ納付、残りの15円はJRAの運営に充てられると説明されています(参照:JRAホームページ-『国庫納付を通じた貢献』https://www.jra.go.jp/company/social/treasury/)。 どれだけ高い配当を出したとしても、運営側のJRAには必ず一定の利益が出るような仕組みになっているということですね。 投じた金額から差し引かれる、あるいは還元される比率は「還元率」や「控除率」と呼ばれます。競馬・競艇・競輪などの還元率が約70%~80%、パチンコの場合は(当然店によっても変わりますが)約80~90%と言われます。宝くじも一種のギャンブルと言えますが、還元率はなんと45%しかありません。 もし1万円を賭けて当たった場合、パチンコは8,000~9,000円ほど返ってきますが、宝くじだと4,500円しか返ってこないことになります。「少なっ」という感じですね。 「競馬好きはバクチ好きですよね」なんて聞きますが、還元率だけを見ると、ひょっとしたら宝くじで夢を買っている方のほうがバクチ打ちかもしれません。