【2023年の日本車】スカイラインNISMOに試乗! 日本を代表するスポーツセダンの熟成された妙味を体感した
日本人にとって特別なクルマ、スカイラインにスペシャルモデルが加わった
日本の経済を大きく支えている自動車産業。そんな我らの誇りでもある日本車は2023年も魅力あるクルマを登場させた。今回はスペシャルロードインプレッションとして日本を代表するスポーツセダンの最新モデル「スカイラインNISMO」を紹介する。(Motor Magazine2024年1月号より/文・岡本幸一郎、写真・井上雅行、根本貴正) 【写真はこちら】【2023年の日本車】日産スカイラインNISMO(全8枚)
400Rに続き、そのさらに上をいく特別モデルが登場
日本人にとってスカイラインは特別なクルマ。その集大成として、登場から約10年を迎える現行V37型の「400R」をベースに、より特別に仕立てたスペシャルモデルが1000台限定で発売された。 スカイラインNISMOの価格は788万400円。RECAROシート+カーボン製フィニッシャー装着車は847万円、100台限定のNISMO Limitedは947万9800円と、スペシャルモデルにふさわしい値付けとなっている。 日産では基準車にNISMOのエッセンスを取り入れたスポーツコンバージョンのNISMOロードカーを展開している。その一員として加わったスカイラインNISMOは、日本車として初めて「GT」を名乗ったスカイラインが持つグランドツーリングカーとしての資質に、NISMOならではのレーシングテクノロジーを融合させることで、“究極のGTカー”を目指した開発が行われた。 専用に仕立てられた、さりげなくタダモノではない雰囲気を漂わせる外観には、バンパーの各部に空力性能と冷却性能を高める機能が盛り込まれている。試乗車のボディカラーは専用色のステルスグレーで、より迫力あるフォルムを引き立てている。このクルマがオマージュする、2代目のS5#系に由来するバッジも配される。 インテリアも400Rをベースに、NISMO専用のアイテムが与えられる。試乗した標準仕様以外に、専用のRECAROシートとカーボン製フィニッシャーをセットとした仕様も選べる。
伸びやかな吹け上がりを示すNISMO専用のVR30DDTTエンジン
迫力あるルックスにふさわしく、走りもわかりやすく味付けされていて、まずエンジンがインパクト満点だ。2019年のマイナーチェンジで追加されて話題となった400Rのただでさえ強力なVR30DDTTが、NISMOではさらに強化されて15ps/75Nmの出力向上を実現している。 より瞬発力が増し、排気量を拡大したかのようにトルクが厚くなっていて、高回転域まで伸びやかな吹け上がりを示す。さすがはGT500レース用エンジンに携わった開発者が同じ設備を使ってチューニングしたというだけのことはある。 SPORTモード以上を選択すると、より走りのダイレクト感が増す。その痛快な加速を味わいたくて、ワインディングロードでは思わず何度もアクセルペダルを踏み込んでしまったが、たとえ上まで回さずとも、余力ある動力性能は市街地や高速道路でも頼もしい。どこでも気持ち良く走れるフィーリングに仕上がっている。 エキゾースト系に400Rからの変更はないが、もともと迫力あるサウンドに物足りなさを感じることはない。この音と加速のおかげで、いかにも高性能なクルマをドライブしているという感覚をずっと味わうことができるのは、このクルマなればこそだ。必要とあればチタンマフラーも用意される。