【大学野球】東都三部・四部入れ替え戦、5人で大声援を送った一橋大学体育会應援部
次の世代へと歴史を継承するため続けた活動
【東都大学三部・四部入れ替え戦】 順天堂大4 - 2一橋大 (順天堂大は三部残留) 東都大学野球連盟は一部リーグから四部リーグまで、22校で構成されている。春と秋、上部リーグと下部リーグによる入れ替え戦(一部・二部、二部・三部、三部・四部)が実施され、勝ち点制(2勝先勝)で争われる。今秋は11月16日から神宮球場で行われた。 三部・四部入れ替え戦は三部6位・順天堂大が四部1位・一橋大を連勝で下し、三部残留を決めた。一橋大は昨秋以来の三部昇格はならなかった。2回戦は初回に1点を先制も、2回裏に追いつかれ、4回裏に勝ち越しを許した。5回表に1点を返し、最後まであきらめない姿勢を見せたものの、力及ばなかった。 「絶対、逆転するぞ!!」 「絶対、行けるぞ!!」 三塁側の一橋大の応援席では、一橋大学体育会應援部による全力応援が展開されていた。全部員は6人(リーダー4人、チアリーダー2人)だが、この日は都合により、5人で大声援を送った。リーダー台には応援を仕切るリーダーとチアリーダーが立ち、スタンドにはリーダー補助、太鼓、トランペットという構成。一人が欠けても成り立たない。5人それぞれの役割分担が確立されており、結束力が抜群であった。 女性部員でリーダーとトランペットを兼務する谷水小百合主将(3年・北野高)は「少人数はデメリットかもしれませんが、それを逆手に取って、一橋大学にしかできない応援を追求しています。勝利を目指す、選手の手助けになれば、うれしいことはありません」。 谷水主将は高校時代、ハンドボール部のマネジャーを務めていた。一橋大では応援の魅力にはまり入部。「楽器が兼任のスタイルですので、リーダーかチアかの二者択一。踊るのが苦手でしたので、必然的に選択肢はリーダーとなりました」。トランペットの経験はなかったが、先輩から見て学び、演奏技術を高めた。 谷水の2学年上には7人のリーダー部員がいたが、1学年上は不在。3年生も谷水が一人であり(2年生2人、1年生3人)、苦労は絶えなかったが、次の世代へと歴史を継承するため、活動を続けた。 「今日の試合は旗を揚げませんでしたが、私しか揚げられる人がいないんです(苦笑)。特殊技術が必要となってきますので……。旗手を育成することも、私の仕事です」 来年は最終学年である。谷水主将は正式な幹部となる。 「三部に昇格させて、後輩に伝統をついないで、卒業したいです」 一生懸命、応援する姿は、心が熱くなる。敗退後、5人は選手に向かってエールを送った。 「ナイスゲーム!!」 「ありがとう!!」 最後の最後まで、声を絞り出す姿に、こちらから大きな拍手を送りたいぐらいであった。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール