いつ、誰に渡す?予算は?「お年賀」のルールを徹底解説!【年末から年始のマナー】
お正月に挨拶回りをする人が減った昨今、お年賀について「正直、よくわからない」という人も増えています。お年賀はいつ、誰に贈るものなのでしょうか? その予算は? ということで、「現代礼法研究所」主宰の岩下宣子先生に、お年賀について詳しく教えてもらいました。 【イラストで確認】拝殿前での正しい参拝方法は? ■贈る相手は目上の人。金額は1000円以下で 「お年賀」とは、日頃お世話になっている方のお宅へ、年始の挨拶にうかがう際に持参する贈りもののことです。 その起源は、かつてはお正月に人々が各家に挨拶に回り、持参した新しい年神様へのお供え物「御年玉」を贈りあったことにあります。 お年賀は、いつもお世話になっている方への感謝と、「今後もよろしくお願いします」という願いを込めて贈るものなので、贈る相手は目上の人、たとえば実家の両親、親戚、勤め先の上司、近所の方々などが考えられます。 「お年賀は元旦を避け、1月2日から松の内までに持参するのが一般的です。松の内の時期は地域によって違い、関東地方は1月7日まで、関西地方などは1月15日までを指します。お年賀は、相手のお宅や会社などにうかがって、手渡しするのが基本的な作法です。ただし、家には上がらず、玄関先で失礼しましょう」(岩下先生) お正月に自宅などにお邪魔するのですから、事前に連絡し、相手の都合のよい日時を確認してから行くようにしてください。 なお、相手や贈る方が喪中の場合は、お年賀を渡すのは避けましょう。 お年賀の予算は500~1000円程度で構いません。 高額なものを選ぶと、かえって相手に負担を感じさせてしまう可能性があります。 特別なビジネスの相手などは3000~5000円程度でもOKです。 品物は、お菓子、佃煮、お酒、コーヒー、干支やおめでたい柄のタオルなどが定番とされます。 *** 岩下先生によると、年始のご挨拶の際は、「家に上がって」と言われても、1回目は断るのが礼儀だそうです。2回言われたら、相手との関係性を考慮して決めましょう。こういう判断が適切にできる人が、マナー上級者なのかもしれませんね。 教えてくれたのは… ▶岩下宣子先生 「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事・相談役。30歳からマナーの勉強を始め、全日本作法会の故・内田宗輝氏、小笠原流・故小笠原清信氏のもとでマナーや作法を学ぶ。現在はマナーデザイナーとして、企業、学校、公共団体などで指導や研修、講演会を行う。『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(中経の文庫)、『相手のことを思いやるちょっとした心くばり』(三笠書房)など著書多数。近著に『77歳の現役講師によるマナーの教科書 本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』(主婦の友社)。 文=高梨奈々