阪神・藤川球児新監督は「周りに気を使える」 井川慶氏が明かす将の資質「投手会でダーツ大会やってくれて」
阪神の第36代監督に藤川球児氏(44)の就任が決まった。そんな藤川新監督の素顔を紹介する。デイリースポーツ評論家の井川慶氏(45)は同じ高卒入団であり、藤川新監督の1年目から時間を共にしてきた間柄だ。入団時から素質の高さを感じていた野球面だけでなく、周囲に気を配れる性格についての思い出話も語った。 ◇ ◇ 藤川新監督の1年目からプレーを見ていたわけですが、体は細かったですけど、当時から伸びのあるすごくいいボールを投げていましたね。野球センスが抜群で、足も速いしバントもうまい。フィールディングとか身のこなしも、当時から素晴らしかったのを覚えています。 2005年のブレークというのも、入団時からポテンシャルの高さを見ていたのでそれほど驚きはなくて。あの浮き上がるような真っすぐも昔から投げていたボールで、球速は上がりましたけど、球質自体は同じ。それを発揮しきれていなかっただけで、やはり中継ぎへのコンバートが大きかったですね。先発と違い1イニングに全力でいける状況となり、他の人が持っていない天性の武器を、より出せるようになったのかなと思います。 2軍で一緒にやっていた時からよく話もしましたし、彼は性格的に先輩との関係性をつくるのがうまかったですね。その上で、先輩と後輩との橋渡し役というか、まとめ役というのを自然とできる人間性がありました。 1軍で主力になってからも、うまくまとめてくれていましたね。沖縄キャンプで投手会をやった時も、わざわざ僕が好きなダーツのあるお店を、選んでくれたんです。普通なら、飲み屋さんみたいなところでみんなでお酒を飲む方が楽しかったと思いますが、僕のことを考えてくれたのかなと。そこでダーツ大会までやってくれて、気を使ってくれたんだなと思います。そうやって気配りできるところや、僕と違って(笑)周りに気を使えるところは、監督というポジションでも生かされると思いますね。 投手出身監督となりますが、先発と中継ぎではまた違うのかなというのと、彼は両方の経験がありますからね。先発は自分が投げない日はベンチに入らないですが、中継ぎは毎試合入っていて、展開とか流れをずっと見ているポジション。それもあってか野球のことをよく分かっていて、非常に細かなことも考えていますし、理論がしっかりしている選手でした。 阪神で僕よりも若い監督というのは初めてです。どんな野球を見せてくれるのか、本当に楽しみですし応援しています。