新年の平穏祈り、練り歩き 大蔵・肘折温泉「さんげさんげ」
大蔵村肘折温泉で7日、出羽三山信仰の越年行事「さんげさんげ」が行われた。修験装束を身にまとった人々が新年の無病息災などを祈りながら温泉街を練り歩いた。 六根(目や耳、鼻、舌、手、皮膚)から生じる、視覚や聴覚、味覚などの汚れを落として新年を迎える伝統行事。一時途絶えたが、1984(昭和59)年に地元有志が復活させた。地元住民による実行委員会(大友久士委員長)が主催し、行者姿の地元住民と、ゼミとして村での研究をしている、早稲田大社会科学部2、3年生の計15人が、ほら貝の音とともに「さんげさんげ、六根罪障(ろっこんざいしょう)…」と唱えながら温泉街を回った。 最後に力強いかけ声とともに恒例の餅つきを行い、400食分を観光客や住民に配った。実行委員の横山努さん(54)は「地区住民の健康と温泉街の商売繁盛を願った。昨年は天災が続いたが、今年は平和な年であってほしい」と話した。