ジャイアンツの元MVP捕手が漏らした悔い 大谷翔平を巡る交渉の舞台裏「本当に全てをやり尽くした。ガッカリだ」
世界中の関心を惹きつけた“大谷翔平争奪戦”。今オフにエンゼルスからフリーエージェントとなった二刀流スターを巡っては、複数球団が獲得に動き、交渉の行方は熾烈を極めていた。 【動画】ついにドジャースへ! 球団公式が公開した入団発表ムービーをチェック 最終的に争奪戦を制したのはドジャースだった。10年総額7億ドル(約1015億)というプロスポーツ史上最高額のメガオファーを提示し、かねてから徹底マークしていた大谷を手中に収めたのである。 このエポックメーキングな契約には、悔しさを露わにする関係者も少なくない。交渉の場に参加したジャイアンツのOBバスター・ポージーは、米メディア『The Athletic』において「交渉でやり残したことは本当に無いと思っている。だから、ショウヘイの獲得に貢献できなかったのは、本当に、本当に残念だ」と無念さを語った。 大谷本人との面談に特別に招かれ、「とにかく出来るだけの事をしたかった」とジャイアンツの魅力を訴えたレジェンドは、かつて自身が契約していたマネージメント事務所『CAA Base』のネズ・バレロ代理人に事前に連絡。「ネズ、僕たちに最初に会う機会を与えてくれないか。僕らにとって、彼がどれだけ重要で、どれだけ真剣かをわかってほしい。僕らは本当に球団全員が移籍を後押ししている」と積極的なアプローチをしていたという。 それでも移籍は実現しなかった。しかも、大谷の新天地は同地区のライバル、ドジャース。それだけにポージーは「本当に全てをやり尽くしたけど、ガッカリだ」と正直に吐露。そのうえで、「ベイエリアの治安が悪い事で、その影響でセイヤ・スズキも獲得できなかった」と分析している。 逃した魚は確かに大きい。それでも「しょうがないさ。ライバル関係でもいいよね」と強調したポージーは、球史を変えてきた偉才への想いを訴えた。 「僕はショウヘイに会った時に言ったんだ。『なぁショウヘイ、僕が現役の時ですら、まず朝起きたら君のハイライトを見ていたよ。君がフィールドで何をするかは毎日、目が離せなかったんだ』ってね。だから本当に一緒に戦えたら嬉しかった。でも、僕は彼が祝福されることを願っている。もちろんジャイアンツとの対戦以外の時だけどね」 2012年にMVPを獲得し、7度の球宴選出を誇るポージー。そんな歴史的な名手が悔恨の想いを口にするところにも、大谷の持つ影響力の大きさが感じられる。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]