劇的勝利で同一カード連敗を阻止、琉球ゴールデンキングスの今村佳太が語るエースの矜持「自分は逃げずに立ち向かっていきたい」
連敗しない底力「同一カード連敗を喫することの重みを分かっているのが大きい」
今回の大逆転劇によって、琉球は2021-22シーズンから続く同一カード連敗なしの記録を継続している。負けたら終わりのプレーオフではなく、60試合と長丁場のレギュラーシーズンでは時に集中力を欠いたまま終わってしまう週末もあるものだ。しかし、琉球はそういった脆さ、不安定さが極めて少ない。 桶谷ヘッドコーチは連敗を阻止できたことの意味は大きいと語る。「(後半に崩れて大敗した)昨日と同じような展開になっていたので、そのまま終わっていたら次の試合から持ち直すのは難しかったです。そういった意味でも、選手たちが最後までやり続けることを見せてくれたのは大きいです。(突き放された後の)タイムアウトで僕が円陣に入る前、『まだまだ戦えるよ』と話していたので、全然あきらめていないのは見えていました」 そして、今村は「今日は本当にしんどい展開でした。ただ、チームとして同一カード連敗を喫することの重みを分かっているのが大きいと思います」と、勝ち続けるために何か大事なのか意識できていると語る。「自分たちが見据えているところに対し、どういうプロセスを踏んでいかないといけないかを常にキングスは考えています。だから1試合、1試合を大切にしていく。チーム全員にその意識があります」 今節から琉球はクーリー、ダーラム、ヴィック・ローとシーズン開幕前に想定していた外国籍トリオで初めて試合を戦った。バイウィーク期間中にじっくり練習ができたといっても、実戦不足からまだまだコンビネーションがしっくりいっていないことを露呈し、チームの完成度においては他の強豪チームと比べても劣っている面は否めない。それでもリーグ上位の成績をキープできているのは勝者のメンタリティーと強固なチームカルチャーを持っているからこそ。それを示す一戦となった。
鈴木栄一