平野紫耀&神宮寺勇太&岸優太、1stシングルで歌う6つの“愛” Number_i『GOAT』全曲解説
Number_i、初シングルを締めくくる“日々”への約束の歌
■「FUJI」 「GOAT」の系譜に連なるHIPHOPナンバー。雄叫びのような歪んだギターで始まり、繰り広げられる3人のマイクリレーが鮮烈だ。〈I Know 愛 Revolution〉というフレーズが登場するが、〈ただ君が応援にくるマジすごいこと〉の歌詞からもわかるように、この歌の“愛”とはファンとの愛を指すのだろう。日本一高い山の名前をタイトルに掲げながらも、〈てっぺんの景色低い富士山〉と歌うあたりに、彼らが目指す場所の高さが伝わってくる。先の見えない獣道だからこそ、思いがけない素敵な景色に出会えることもある。想像を超える未来を私たちに見せてくれるような、Number_iの今後への期待も感じられる楽曲である。 ■「Rain or Shine」 「Blow Your Cover」と同じ布陣で制作されたR&B調の楽曲。「Rain or Shine」は“晴れでも雨でも”――つまり、“どんな状況でも”という意味を持つ。サビではもうひとつ〈当たり前〉と〈特別〉という対になる言葉が登場しており、〈当たり前の日々を共に〉〈特別な日々を一緒に〉と続くことからも、いつでもそばにいるというメッセージが込められているように思う。平野、神宮寺、岸の優しい歌も相まって、淡々とした曲調のなかでも、あたたかみを感じられるナンバーである。〈時代を背負う〉という「GOAT」で幕を開けたこのシングルは、ともに進んでいく人たちの“日々”になっていくという約束めいた歌で締めくくられるのだ。
かなざわまゆ