クリフス、USスチール買収再提案で米政府と協議-競争上の懸念巡り
(ブルームバーグ): 米鉄鋼メーカー、クリーブランド・クリフスのローレンソ・ゴンカルベス最高経営責任者(CEO)は、日本製鉄が買収で合意した米鉄鋼大手USスチールに対する買収提案を再び準備する際、反トラスト法(独占禁止法)上の問題を回避する方策について米政府と協議したと明らかにした。
ゴンカルベスCEOは25日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「反トラスト法をクリアする道があると確認するため、提案に先立ち米政府と話し合いを持った。USスチールは耳を傾けず、日本製鉄を選んだ」と語った。
クリフス社が買収合意成立後に一部事業を切り離すと提案しても、反トラスト法上の懸念に対処する上で「かなりリスク」が残ると法律専門家らは昨年、USスチールの取締役会に助言した。同社はクリフス社の提案より日本製鉄の現金による総額約141億ドル(約2兆1300億円)の買収案を選択した。
USスチールを巡っては、バイデン米大統領が14日、国内で所有、運営される米企業であり続けるべきだと発言し、日本製鉄が買収を完了できるかどうか不透明感が広がった。
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原題:Cliffs, US Discussed a Clear Path Past Antitrust on US Steel(抜粋)
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Joe Deaux, Alix Steel, Romaine Bostick