兵庫維新、議会の「自主解散」も選択肢に対応検討へ 斎藤知事再任で
兵庫県議会の不信任決議を受けて失職した斎藤元彦氏が出直し知事選で再選したことをめぐり、日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は24日、地域政党・兵庫維新の会の会合に出席し、維新会派として県議会の自主解散も含めた対応を検討するよう求めた。 【写真】記者団の取材に応じる日本維新の会の吉村洋文共同代表(右)=2024年11月24日午前、神戸市中央区 神戸市内で開かれた会合後、吉村氏は記者団の取材に応じ、斎藤氏の再選について「県民から見ればこれは議会に対する不信任と同じではないか」と指摘。会合の中で、特例法に基づく議会の自主解散も選択肢として対応を検討していくべきだと発言したことを明らかにした。 一方、「解散ではなく、議会としての役割を果たすという選択肢もある」とも説明。知事や議員によるパワハラ防止や公益通報制度の確立のほか、職員の政治活動制限、政治的中立性を求める計四つの条例制定に取り組むことも議会側の対応策のひとつとして提示したという。吉村氏の提案を踏まえて、今後は兵庫維新内で検討を進め、年内に方向性を決めるとしている。 特例法に基づく議会の自主解散は、議会の4分の3以上が出席し、その5分の4以上の同意が必要。県議会(定数86)で第2会派の維新(21人)単独で成立はできない。 吉村氏は記者団に「(議会側は)何事もなかったかのように終わらせるのは違う」とし、「(不信任決議で)全会一致した他の会派はこれについてどう向き合うのか。今度は他会派も兵庫県民の皆さんに対する説明責任が生じる」と語った。 兵庫維新の会の片山大介代表は同日、知事選などの責任を取って今年で代表を辞任すると表明。記者団に「(斎藤氏と)よりを戻す方向で各会派が動いている感じが否めない。そこできちんと我々から(対応を)言うのはすごく大切なことだ」と述べ、県議団と協議していく考えを示した。 吉村氏から自主解散を県議会の対応の一つとして提案された兵庫維新の会。議員たちは、斎藤知事の不信任決議を可決した責任を受け止めつつも、さまざまな反応を見せた。 会合に出席した衆院議員の一人は「知事を辞めさせる不信任決議という判断は重い。それに民意がノーを突きつけたのだから、自主解散を含めて議会側が民意を受け止めなければいけない」と語った。 県議の一人は「ほかの県議会会派が自主解散に乗ってくるとは思えず、現実的ではない」とみる。別の県議は「自主解散をするのはいいが、議会とどう向き合うかという方向性を斎藤知事が示した段階で検討するべきではないか」と話した。(野平悠一、谷辺晃子、島脇健史)
朝日新聞社