「父と二人で這い上がってきた」偏差値74の進学校から挑んだ“最初で最後の”全日本ジュニア<全日本卓球2024>
“全国大会初勝利”を目指して
対戦相手の大畑瑛祐(白子高)は、昨年12月の高体連主催の海外遠征一次選考会を制した実力者。下馬評では大畑が優勢だったが、小笠原は本気で勝ちに来ていた。最初で最後の全日本ジュニアで、悲願の“全国大会初勝利”を掴み取るために。 試合前には父と一緒に入念に研究を重ね、対策も練っていた。 「(大畑選手の)情報はあまりなかったんですけど、左利きということはわかったので、巻き込みサービスを練習し始めました。試合でも、3ゲーム目から巻き込みサービスを出したら意外と効いてくれたので、自分のサービスのターンでは『絶対に点を取る』という気持ちでプレーしてました」 その言葉通り、小笠原は第3ゲームの中盤から、それまで使っていた順横系サービスから逆横系の巻き込みサービスに変更。サービスエースを連発し、攻撃にも上手く繋げた。 しかし、対する大畑も安定感のある両ハンドと強烈な3球目攻撃でポイントを重ね、簡単には崩れない。 全ゲーム一進一退の攻防が続き、小笠原は第2ゲームを11-9でなんとか奪取するも、第1、第3、第4ゲームを落とし、ゲームカウント1-3で敗北。全国大会初勝利には、あと一歩届かなかった。
「卓球を強くなりたい」
惜しくも全国大会初勝利を逃した小笠原だったが、数か月後には最後のインターハイ予選が控えている。 「卓球を強くなりたいという野心はずっとあるので、全国大会で勝てる選手になりたいです。あとは、勉強もしっかり頑張って、志望校に合格できるように努力していきたいと思います」 強敵が揃う熊本県予選を勝ち抜くのは容易ではないが、「全国大会で1勝」を目標に、小笠原はひたむきな努力を続けていくだろう。
和田遥樹