高3でオール5をとっても全く間に合わない…推薦入試対策でもっとも早く準備しなければならない項目
■自分の得意や強みで勝負できる大学を選ぶ 推薦入試では戦略が大切です。 それは、大学によって実施している試験の内容が大きく違うからです。小論文や学力試験といった学力面を中心にして評価する大学もあれば、志望理由書や面接を重視する大学もあります。 たとえば、立教大学の法学部では評定平均3.8以上と英検資格の提出、そして大学から指定する活動実績があると出願ができ、選考内容は書類選考と面接です。一方、同じ関東の慶應義塾大学の法学部であれば、出願条件が活動実績のみで、選考は模擬講義の視聴とそれに関連した論述問題、最後に口頭試問……という流れで実施されます。評定平均や英語といった高校での学習を重視する立教大学と、大学で勉強・研究するテーマへの理解を評価の材料とする慶應義塾大学とで、対照的な入試内容だといえるでしょう。 このように、仮に同じくらいのレベル、かつ学ぶ内容が似ていても、選考の内容が大きく違うことは推薦入試では珍しくありません。ですから、出願する前に自分の得意や強みで勝負できる大学を選ぶことがとても重要になってくるのです。 ■面接官は「本当にやりたいかどうか」を見ている 「やりたいことで大学を選ぶ」ことは、将来のキャリアのためにも大切な観点ですが、まず「大学受験に合格するため」にも重要です。 総合型や公募型では、その大学や学部を選んだ理由を掘り下げる質問がとても多く出てきます。具体的には、志望理由書や面接での問答です。そしてそれが主な合格・不合格の判断材料になりますから、ここで他人と差をつける必要があります。大学のホームページやパンフレットに書いてある強みを書くだけでは不十分で、自分の活動実績や将来の夢とからめて書いていかなければなりません。 ですから、やりたいことを大切にして考える必要があるのです。本当に自分のやりたいことと一致していないと、どこかでちぐはぐになってしまいます。もちろん、自分の本心でやりたいこととは合致していなくとも、志望理由書にウソを書くことはできてしまいます。しかし、突発的に面接などで掘り下げられた場合に、少しずつほころびが出てしまい、結局合格できないという事例はいくらでもあります。 志望理由と活動実績の内容が違う。面接で答えた内容と提出した書類の内容が食い違っている……こういった情報のズレを面接官は見逃しません。ごまかしは効かないと思ってください。 だからこそ、自分の本心を偽らずにやりたいことや達成したい目標から大学を選ぶことが大切なのです。 以上のことを参考に、早めの推薦入試対策に取り組み、第一志望合格への切符を手に入れてください。 ---------- 小林 尚(こばやし・しょう) 個別指導塾CASTDICE 塾長 高校受験で開成高等学校に入学し、東京大学文科一類に現役合格。卒業後、経営コンサルティング会社の戦略部門を経て、株式会社キャストダイスを設立。YouTubeチャンネル『CASTDICETV』では、受験情報にとどまらず職業・進路情報を高頻度で発信。著書は『やりたいことがわからない高校生のための最高の職業と進路が見つかるガイドブック』(KADOKAWA)など多数。 ---------- ---------- 橋本 尚記(はしもと・なおき) 推薦入試専門推進塾 塾長 早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、塾講師・家庭教師の経験を経て、推進塾を設立。経済的に恵まれない生徒に対し中学校に出向いて学校授業の補講を行う「放課後塾」にも講師として参画。 YouTubeチャンネル『推進塾【推薦入試・総合型選抜専門】』にて、総合型選抜・学校推薦型選抜を中心に、受験情報や勉強法などの情報を発信している。 ----------
個別指導塾CASTDICE 塾長 小林 尚、推薦入試専門推進塾 塾長 橋本 尚記