阪神・大山悠輔がFA権行使なら争奪戦へ 「貧打で悩む球団」の主軸に
チームに与えるプラスアルファ
大山の活躍なくして覇権奪回は望めない。2週間の調整期間を経て、一軍に昇格以降は勝負強い打撃を取り戻した。打率.259、14本塁打、68打点は満足できる数字ではないが、得点圏打率.354をマーク。8月下旬以降は四番に戻り、鋭い打球を広角に飛ばしていた。 FA権を取得した今オフは例年と違い、周りが騒がしくなる。スポーツ紙デスクは「今年は不本意な成績に終わりましたが、他球団の評価は高い。貧打で悩む球団は少なくないですし、FA権を行使したら争奪戦になるでしょう」と分析する。 大山がチームに与えるプラスアルファは、額面の数字だけではない。最善の準備を尽くして試合に入り、常に全力疾走を怠らない。「準備をしていく中で当然、全力疾走も心掛けています。やはり当たり前のことを当たり前にやる、たとえ負けていても最後のアウトが決まるまで全力でやる、ということをやっています。相手に少しでもスキを見せたくないと思っているので、技術的なことよりも、そこを何よりも僕は大事にしています」と自身の信念は揺るがない。 阪神の若手に大山の思いは受け継がれている。チームを象徴する強打者は、野球人生の岐路に立たされて何を思うか。阪神は慰留に全力を注ぐだろう。残留か、他球団移籍か。悩み抜いた末の決断が注目される。 写真=BBM
週刊ベースボール