投手指名練習でキャッチボールをする高橋遥人＝甲子園球場（撮影・甘利慈）

阪神・高橋遥人投手（28）がクライマックスシリーズ（CS）で2度先発するプランが1日、浮上した。12日のファーストステージ（甲子園）開幕戦に投げれば、中8日で21日の巨人とのファイナルステージ（東京ドーム）最終戦に登板可能。今季は左肘の手術などから復帰し、4勝1敗、防御率1・52と完全復活。けが明けを考慮され、中9日以上あけて起用されてきたが、短期決戦で間隔を詰める可能性が出てきた。帰ってきた左腕がCS突破へのキーマンとなる。 シーズン2位からの下克上へ、究極のプランが判明した。12日のCSファーストステージ開幕投手を高橋が務める可能性が浮上。甲子園での投手指名練習に参加した左腕は決意を新たにした。 「いつでもいけるように（調整練習で）疲れすぎず、体を動かしていけたら」 優勝争いの決着がついていなければ、今季最終戦となる3日のDeNA戦（横浜）に先発予定だった。だが、9月28日にV逸が決定。岡田監督は「投げる必要ないやろ」と、翌29日に高橋を出場選手登録から外した。もちろん、CSを見据えてのものだ。 この日、練習を視察した久保田投手コーチは「2つ（試合）投げられるかどうかですよね、（高橋）遥人の場合。今のところ、中9日は最低でもあけている。（でも）勝負事なので、もしかしたら（2度先発の）可能性はあるかもしれないし」と説明した。 先発投手陣の中心は、今季チームトップの13勝を挙げた才木であることには違いない。ただ、今年8月に復帰し、4勝1敗、防御率1・52で快進撃の立役者となった高橋も可能な限り多く投げさせたい。12日の開幕戦に投げたうえで、チームがファーストステージを突破すれば、中8日あけると21日のファイナルステージ6戦目に投入できる。勝った方が日本シリーズ進出となる巨人との最終戦を任せられるというわけだ。 高橋は「僕はチームに貢献していない」と謙遜しているが、復帰後の内容には目を見張るものがある。久保田コーチは「（高橋）本人はたぶん、（中8日で）いけとなったら『いきます』と言うと思う。（最終的には）監督がどう判断するかです」と明かした。この場合、才木を13日と、中6日で20日の巨人戦に先発させることもできる。 昨季、CSを勝ち抜いて日本シリーズを制した岡田監督だが、かつて短期決戦に弱いと言われたときがあった。前回政権時、2005年の日本シリーズはロッテに4連敗を喫し、07、08年はともにCSファーストステージで敗退。シーズンの勝ち星が多い順に先発させたことが裏目となり、「レギュラーシーズンと短期決戦は戦い方が大きく変わってくる。同じやり方ではアカン」と反省の言葉を口にしていた。同じ失敗は繰り返さない。夏場以降、才木よりも安定感があった高橋を開幕戦に指名する可能性は十分だ。