【競馬予想】エリザベス女王杯、レガレイラは「今度こそ」人気に応えることができるのか
秋の「女王決定戦」となるGIエリザベス女王杯(11月10日/京都・芝2200m)には2頭のGI馬が出走するが、今年のGIレースで3着以内に好走した馬、というのは1頭もいない。 【写真】かつて競馬番組のMCを担当していた美人アナの貴重なカット まさに激戦必至。馬券的には面白くなったと言えるかもしれないが、現役牝馬の中距離路線における頂点を争うGIとしては、やや低調なメンバー構成になった。 そんな一戦にあって、1番人気確実とされているのはGI馬の1頭、レガレイラ(牝3歳)である。デビュー以来、6戦して1番人気が5回。唯一2番人気となったのは、GI日本ダービー(5月26日/東京・芝2400m)だけだ。 では、結果はどうだったのか。初陣と、昨年末の2歳GIホープフルS(中山・芝2000m)を勝っているのみ。ホープフルSの勝ち方が余りにも鮮やかだったゆえ、「次こそ」という期待が常にあったのだろうが、ほぼ人気に応えることはできてない。 無論、この春は牡馬クラシックのGI皐月賞(4月14日/中山・芝2000m)、ダービーに挑戦。同世代の強豪牡馬相手に、6着、5着と善戦したことは評価できる。だが、前走のGIIローズS(9月15日/中京・芝2000m)では同世代の牝馬が相手。そこで、単勝1.7倍という断然の1番人気に支持されながらも、5着に沈んだ。 スタートでやや出遅れて、道中は最後方からの競馬。最後の直線で大外から強襲するも、掲示板に載るのがやっと。馬券圏内(3着以内)にさえ、入れなかった。 それでも多くのファンは、(前走は)「休み明けだから」「あくまでも叩き台」とか「上がりはメンバー最速。"負けて強し"の内容だった」といった判断を下して、この馬がまた、1番人気に推されることになるだろう。
確かに今回の出走メンバーには、リバティアイランド、ブレイディヴェーグ、チェルヴィニアなどトップクラスの牝馬はいない。その意味では、レガレイラが過去に牡馬相手のGIで戦ってきた面子と比べて、メンバー構成は明らかにラクになっている。 また、聞くところによると、陣営はローズSのあとはエリザベス女王杯に向かう、と当初から決めていたという。ここが狙いの一戦であることも間違いない。 となれば、今度こそ人気に応えてもおかしくないが、はたしてどうか。 やはり気になるのは、前走のローズSである。最後の直前では猛然と追い込んできたが、前の馬を捕まえられるほどの脚だったか? というと、そこまでではなかった。関西の競馬専門紙記者が言う。 「このとき、レガレイラの終(しま)い3ハロンは33秒1。勝ったクイーンズウォークが33秒5。直線を迎えてからの両馬の位置関係を考えれば、レガレイラは32秒5くらいの脚を使わなければ届かなかったと思います。それは、ほぼ不可能でしょう。 であれば、道中の位置取りをもう少し前にすればいい、と思うかもしれませんが、この馬にはそれができません。そこに、この馬が人気に応えられない一番の原因があると言えます」 その「一番の原因」とは何か? 専門紙記者は「この馬の成長力」だと言う。「具体的に言えば、トモに力がつききっていない、ということです」。 そのため、後肢のけっぱり、つまり地面を蹴る力が弱い。おかげで、スタートで出負けしてしまうのである。だからといって、無理に位置を取りに行けば、自慢の末脚が鈍る。ゆえに、最後方追走から直線勝負という、極端な戦法を取るしかないのだ。 先の専門紙記者が続ける。 「ダービーのあと、長い休養期間がありましたから、その弱点をカバーするぐらいの成長を期待していたんですが......。その答えが、前走の敗戦。あれでは、さして春先と変わりません。少しがっかりしました。 今回は、前走後の調整でどれだけよくなっているか、なんですが......。相変わらず弱点を抱えたままだと、ここ3戦と同じような結果になってしまうかもしれません」 それでも、多くの競馬ファンの脳裏に刻まれているのは、ホープフルSでの圧巻の勝利である。シンエンペラーら退けた相手を考えても、さすがに無視はできない。