若き高橋一生が無罪を主張する重要な被疑者役を演じた第10話レビュー<HERO>
FODでは現在、人気のフジテレビドラマを毎月5作品分、FOD・TVerにて毎日無料公開する「#ドラ活 浸れ、超自分的ドラマ生活。」を開催中。対象作品のひとつ、木村拓哉主演の「HERO」は2001年1月期に放送され平均視聴率34.3%を記録した、かれこれ23年前の作品。 【写真】2014年「HERO」第2シリーズでは北川景子が麻木事務官を演じた 第1話は8月6日(火)まで無料公開されており、大ヒット作を再び堪能することができる。ひと昔前の作品には、懐かしいキャストとの再会がつきもの。今回は“若い高橋一生”と出会える第10話を含む2話を紹介する。 ■地検に男が侵入して雨宮が狙われる 7月31日(水)まで無料視聴できる第9話「俺がずっとそばにいる」は、東京地検城西支部にピザ配達を装って男が侵入して暴れ回る事件が発生するという、これまでのストーリーより緊張感が増しているスリリングな回。 城西支部のメンバーは自分が狙われているのではないかと疑心暗鬼になる。雨宮(松たか子)は自分のカバンに爆発物が仕掛けられたと知って、怯えていた。一人で家に帰すのは危険と、雨宮を自宅に誘った久利生。部屋着を貸してあげたり不安を紛らわすなど、同僚としてというより、一人の男性としての頼もしさも見せる。地検が狙われるという深刻な事件ながら、久利生と雨宮の関係の親密さが深まり、作品全体としての変化が訪れる重要な回である。 ■20歳の高橋一生が追い詰められた被疑者を演じる また、8月3日(土)まで無料公開中の第10話「別れの予感」は、人気女性テレビキャスター・榎本由起(羽田美智子)を襲ったとして、傷害罪で送検されてきた青年・古田(高橋一生)を、久利生が証拠不十分を理由に不起訴にする。この処分を不服として由起は検察審査会に審査を申し立てた。 正しい判断であると、雨宮は久利生をかばうが審査会の空気は冷たい。人気キャスター絡みの事件とあってマスコミは大騒ぎ。そんな中、今度は脅迫状が女性キャスターのもとに届く。久利生が不起訴にしたことに、由起は抗議の記者会見。その夜再び、由起は、帰宅途中襲われ、担当の刑事・矢口(梅沢富美男)は古田の犯行だと久利生への反発を強める。しかし、気が気でない雨宮に牛丸(角野卓造)たち。さらに久利生に逮捕歴があることが暴かれ、久利生は窮地に立たされる。 当時、まだ20歳の若き高橋一生が「そんなことしてない…」と取り調べの途中に検察で無罪を主張した若者、古田を演じた。高橋はこの回限りの出演だが、後に自殺を選んでしまう古田の残す印象は強く、久利生がかつて世話になった理想の検事との思い出を語るシーンにつながっていく。 クライマックスでは、矢口が“被疑者が死んだような事件”と軽く扱おうとすると、久利生が「あんたが殺したようなもんだろ!!」と声を荒げ、目を潤ませて矢口を問い詰める。その久利生の迫力と本気ぶりは今見ても視聴者の心をぐっとつかんで離さない。