弟子の不祥事で部屋閉鎖の宮城野親方 貴乃花親方よりキツい“締め出し”で早まる「相撲界を去る日」
’17年に起きた元横綱・日馬富士による暴行事件で弟子の貴ノ岩が負傷した際には、現在のトップでもある八角理事長(元横綱・北勝海)率いる執行部と“徹底抗戦”。 「協会は貴乃花親方に対して理事という要職にありながら事件の報告を怠ったとして理事解任と今回の宮城野親方と同じく2階級降格を決めました。理事解任は史上初めてのことでした」(相撲担当記者) それでも貴乃花親方は協会執行部に対抗する形で後の理事選に出馬したものの落選。3ヵ月で計5階級もの降格となったが、今回の宮城野親方と違って弟子への指導は許された。しかし’18年3月の春場所で、弟子の十両貴公俊(たかよしとし)による付け人への暴力が発覚して全親方が出席した臨時年寄総会で本人が相撲協会へ「謝罪」をした。貴乃花親方本人が記者会見をする形で退職届を出したが、「親方を廃業せざるを得ない有形無形の要請を受けた」と事実上の“追放”だった。 「それでも、親方が貴乃花部屋を閉める際、当時の大関・貴景勝を筆頭にした弟子や呼び出しや床山ら裏方スタッフに説明している時、中には涙を流して黙って、親方の言葉を聞いている力士もいた。そこは今回の宮城野親方とは違う点ですね」(当時を知る相撲担当記者) 他の親方衆から疎まれ、弟子からも距離を置かれた宮城野親方だが、現役時代は相撲界の外に有力な支援者もいた。トヨタ自動車・豊田章男会長などはその代表例といってもいい。その資金力は協会を離れても十分暮らしていけるほどで、貴乃花親方や朝青龍といった相撲界を去った実績ある元横綱との大きな違いだ。 「今年1月には、トヨタから優勝パレードカーが提供されました。当初はクラウンが予定されていましたが、宮城野親方が豊田会長に直談判する形で、最高級車のセンチュリーに“格上げ”されました。2500万円もするそうですが、それは豊田会長と宮城野親方の関係がなかったら実現しなかったことです。もちろん今回、不祥事が発覚したことで豊田会長をはじめ、支援者がどんどん離れていくことは予想されますが…」(前出の相撲担当記者) 昨年には「東京の銀座に部屋を興したい」(宮城野親方)と東京・日本橋小網町に150坪もある土地を購入した。16億円を限度額にした根抵当権がついている一等地であり、売ることも可能だ。宮城野親方は自業自得とはいえ相撲協会の厳罰に嫌気がさして「退職届」を提出する状況が、貴乃花親方の時よりも揃ってしまった。宮城野親方が相撲界を去ることを決断しても、止める人も驚く人もそう多くはないだろう。
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