弟子の不祥事で部屋閉鎖の宮城野親方 貴乃花親方よりキツい“締め出し”で早まる「相撲界を去る日」
大相撲春場所(エディオンアリーナ大阪)が10日、初日を迎えた。日本相撲協会は、愛弟子・北青鵬の暴行行為を見て見ぬふりをして監督責任を怠った元横綱・白鵬の宮城野親方に対して、厳しい“締め出し”を行っていることが連日の報道で明らかになっている。宮城野部屋の力士全員が、同部屋が所属する「伊勢ヶ濱一門」のいずれかの部屋に「転籍」させることを決め、宮城野部屋は事実上、閉鎖される流れになった。宮城野親方自身も春場所終了後は他の「部屋付き親方」となる。 【白鵬のはっちゃけ写真】美女と朝まで痛飲、酔ってファンへ「フォー!」…白鵬「パリピ現場」写真 「相撲の一門は政治の世界でいう『派閥』と同じです。その一門が取り潰しを決めた以上、宮城野部屋はいずれ消滅します。部屋の取り潰しは協会執行部の猛烈な後押しがあったと言われています。執行部の意向を無視すれば自分たちのクビも危うくなりますからね。 宮城野部屋の消滅や力士の転籍は十分予想されたことでしたけど、決まるのは場所後と見られていました。それが場所前には事実上“内定”しているところに宮城野親方に対する相撲協会の締め付けのきつさを感じます。貴乃花親方が’18年に退職届を出した時以上ですね」(相撲担当記者) 歴代最多の45回優勝を達成した宮城野親方だが、北青鵬の暴行を1年以上も見て見ぬふりをしたとして、『師匠失格』の烙印を押され、弟子への指導もできなくなった。前代未聞の不祥事を起こしたことに対する「監督責任」を日本相撲協会から厳しく問われている。2名の力士への暴行が常態化していた北青鵬の暴力が明るみにでたことで「宮城野(親方)の責任は重大」と、2階級降格に報酬減額という厳罰を下した。 「相撲協会の処分は7段階に分かれていて、宮城野親方が受けた降格は3番目に重い処分です。それ以上は解雇、引退(退職)勧告になります」(前出の相撲担当記者) 相撲界のタテ社会は令和の時代でも簡単には揺るがない。番付が上にいけばいくほど立場は上になり、優勝回数もしかりだ。したがって、歴代最多の優勝回数を残した宮城野親方は当然、近い将来、協会の理事長を狙っていると見られ、周囲の話では宮城野親方本人も「いずれは……」とその気持ちを持っていたという。 「ただ、相撲協会の執行部にとっては宮城野親方の存在は長年、『目の上のこぶ』だったんです。たしかに相撲界では横綱は最高位ですし、優勝回数も最多ですから、宮城野親方がいずれ協会のトップに立つことに対して『モノが言えない空気』がありました。しかし一方で、宮城野親方は横綱・白鵬時代に“肘うち”や“ダメ押し”そして“プロレス技”、“立ち合いでのエルボー打ち”など、相撲界では許されない『蛮行』を続けて白星を積み重ねたことに眉をひそめる親方が多く、いずれ協会のトップに立つことに抵抗感がある親方は多かったんです。 そんな空気感の中で起きた宮城野親方の不祥事ですから、“反対派”からすると言い方は悪いですけど、『渡りに船』だった。相撲協会の執行部はもちろん、一部の親方を除いては、他の親方衆からも『宮城野親方の自業自得』といった空気しかありません」(夕刊紙記者) では、宮城野親方が手塩にかけた弟子はどうなのだろうか。スポーツ紙の相撲担当記者はこう明かす。 「複数の力士が廃業を決意していますし、他の力士も、本来認められていない『部屋の転籍(移籍)』を希望しています。『宮城野親方についていこう』という空気は皆無といってもいいかもしれません」 ’18年9月に相撲協会への「退職届」を出した元横綱・貴乃花親方は、野球賭博をはじめ、相次いでいた相撲界の不祥事に「今の状況を変えるためには理事になるしかない」と’10年に年功序列が基本だった理事選にあえて立候補。周囲の予想に反して当選したものの、当時の武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)が率いた執行部は、貴乃花親方の言動に厳しい批判を浴びせ続けた。