ボウマン理事、インフレリスクは残っている-FRBは物価注視を
(ブルームバーグ): 米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事は24日、米金融当局は「慎重な」ペースで利下げを行うべきだと主張。インフレリスクは残っており、労働市場は著しく軟化しているわけではないと論じた。
ボウマン理事はケンタッキー銀行家協会での講演で「米金融当局の2つの責務を達成する上でのリスクに目を向けると、特に労働市場が完全雇用の推計値に近い状態が続いている中、物価安定へのリスクは大きくなっていると、私は引き続きみている」と述べた。
連邦公開市場委員会(FOMC)は先週、雇用の最大化と物価安定という2つの責務について、達成のためのリスクはほぼ均衡しているか、雇用の方に傾いているとの見解を示した。ボウマン理事の24日の発言は、他のFOMC参加者との相違をあらためて浮き彫りにした。
ボウマン氏はFOMCで0.5ポイント利下げとの決定に反対し、0.25ポイント引き下げを主張した。FRB理事が政策決定に反対したのは2005年以来のことだった。
24日の講演でボウマン理事は「0.25ポイントで利下げサイクルを開始すれば、経済状況が一層強くなると同時に、米金融当局の目標に向けた進展を自信を持って認識することができただろうというのが私の見解だ」と説明した。
また、「支出の伸びと労働市場がいずれも大幅に弱まっていることを示す明確な傾向が表れるまで、最近の労働市場データから得られるシグナルをさほど重視しない」と発言。
賃金の伸びは労働市場がなおタイトであることを示唆しているとしたほか、最近の失業率上昇には一時的要因が影響した「可能性が高い」との認識を示した。
ボウマン理事は変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアインフレについて、当局目標の2%を依然として「不快なほど」上回っていると指摘。
「より中立的なスタンスへと慎重なペースで動くことで、労働市場の動向を注視しながら、2%目標に向けたインフレ率押し下げでさらに進展を得るためのより良いポジションを取ることができる」と述べた。