朝乃山、3月復帰目指す 1月も視野に「焦らずやる」 兄弟子断髪式で決意
●10月から稽古本格化 大相撲の元大関朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は29日、富山新聞などの取材に応じ、「早ければ初場所で復帰したいが、膝は体を支える大事な部分。焦らずにやっていく」と語り、来年3月の春場所での復帰を目指す考えを明らかにした。10月から相撲の動作を取り入れた稽古を再開するとし、再び上を目指す決意を込めた。 【写真】朝弁慶にはさみを入れる朝乃山 ●大の里に「すごい、でも悔しい」 秋場所中は毎日、テレビで中継を見ていた。北陸出身の関脇大の里(石川県津幡町出身)が2度目の優勝と大関昇進を決めたことに「1年で2回の優勝、ちょんまげ大関っていうのは力があるってことだし、すごい。でも悔しいっすね」と正直な感想を口にした。 朝乃山が平幕時には4横綱3大関だったことに触れ「言い訳だけど、あの時は絶対的な壁があった」と振り返った。「(秋場所に)自分は出ていなかったけど」と漏らし、自らが新大関の壁になりたかったとの思いをにじませた。「本土俵で闘ってみたい」と復帰後の北陸対決に意欲をみせた。 秋場所では同時期に大関を張った貴景勝や、何度も対戦した妙義龍、碧山らが現役引退しており、「時代が変わってきたんだなという感じで寂しい」と感慨を口にした。 大の里ら若手の活躍が目立ってきたが、「今は目の前のことをしっかりやっていく。自分は自分なりに頑張っていくしかない」と語った。 朝乃山は左膝の大けがで名古屋場所を途中休場し、7月末に手術を受けた。8月に退院後は順調に回復が進んでいるとした一方、四股や屈伸など下半身の運動はできていない。「膝の力は今はゼロの状態だけど、100に近い状態に持っていかないと。万全にならないと復帰はしない」とし、前を向いて歩みを進める。 朝乃山は両国国技館で行われた兄弟子の元十両朝弁慶の断髪式に出席し、取材に答えた。朝弁慶にはさみを入れた朝乃山は「兄貴のような存在。新弟子の時からかわいがってもらった。土俵を離れれば優しい人だった」と名残惜しんだ。