東京五輪へ向けてスタートを切るサッカーU-20森保ジャパンのイズムとは?
2020年東京五輪のサッカー男子代表監督に就任した、サンフレッチェ広島前監督の森保一氏(49)の注目の初陣となる国際親善大会、M-150カップ2017に臨むU‐20日本代表メンバーが11月30日、日本サッカー協会から発表された。 12月9日から15日までタイで開催される同カップには、タイのほかに北朝鮮、ベトナム、ミャンマー、ウズベキスタンのU‐23代表チームが参加。日本は東京五輪開催時に23歳以下となる、1997年1月1日以降に生まれた20歳以下の選手たちの中から23人が招集された。 もっとも、今年5月に韓国で開催されたFIFA U‐20ワールドカップでベスト16に進出した、U‐20代表チームのメンバー22人は一人も含まれていない。言い方は失礼になるかもしれないが、名前を言われてピンとくる選手もほとんどいない。 東京・文京区のJFAハウス内で記者会見した森保監督は、東京五輪世代の中核を成すと思われたメンバーを、ある意図をもって初陣に招集しなかったと明かした。 「この年代で可能性のある選手を、まだまだ見ていくということ。この年代の選手たちをより広く、ラージグループとしてとらえながら見ていって、最終的にコアな部分を作っていきたいという意図のもとで、今回のメンバー構成にしました」 たとえば北海道コンサドーレ札幌のMF菅大輝(19)や、東京ヴェルディのMF渡辺皓太(19)。ともに高校3年生だった昨シーズンから2種登録選手としてトップチームでプレーし、プロとなった今シーズンは前者がJ1で22試合に出場。後者も5月すぎからコンスタントに先発している。 ちょっとした環境の変化がきっかけとなり、急成長を遂げる年代ということも考慮した森保監督は、10月末に臨んだ就任会見でこんな言葉を残している。 「選手が埋もれて終わることのないように、少しでも多くの選手に成長してもらうように、結果としてさらにチームが強くなっていくような選考をしていきたい。2年半くらいの期間のなかで力関係が変わってくる年代でもあると思うので、固定するよりも、より多くの選手を見ていきたい」 5人の大学生も含まれている初陣の顔ぶれは、まさに有言実行のメンバー選考となる。大学生のなかには、今年度の天皇杯全日本サッカー選手権でベガルタ仙台やアビスパ福岡を撃破し、痛快なジャイアントキリング旋風を巻き起こした筑波大学の2年生、MF三笘薫(20)も含まれている。