塩野瑛久、失意の一条天皇に「最後は悔しささえ覚えた」 初大河は視聴者の声が活力に
撮影の中で特に印象に残っているのは、龍笛を奏でるシーン。実際に塩野が奏でた笛の音が使われることとなり「自分の笛の音を劇中で使っていただけた時、芸能考証・指導の友吉鶴心さん、雅楽指導の稲葉明徳さんがとても喜んでくださった時はすごく嬉しかったです。とても丁寧に優しく教えて下さったおかげだと思っています。そして彰子に会いに藤壺に渡る一条天皇のシーンで雪の演出を加えてくださった中泉(慧)監督のおかげで定子に対する想いに、より解像度が上がり印象的なシーンになったことも思い出深いです」と感慨深げ。
初の大河ドラマ出演にして、長きにわたって登場する大役を担ったことは俳優として大きな飛躍につながった。「同じ役を長い期間かけて演じられる作品というのはそう多いものではありません。その中でも天皇という立場に身を置く人物の半生を生きられたことは、僕の俳優人生においても深く心に刻まれたものとなりました。「続けてきてよかった」と、今まで積み上げてきたものを肯定してあげられる機会になりました」
そして、自身を見守り続けてくれた視聴者にあらためて「この『光る君へ』で一条天皇という役を演じられたこと、とても幸せに思います。皆様からのたくさんの愛も受け取っています。この作品を通して塩野瑛久を知ってくれた方も多く、感想や反響などをいただく度にとても心強い活力となり、無事に役を全うできました。どうかこの作品が、一条天皇にとっての「枕草子」や「源氏物語」のような、皆様にとって心に深く刻まれる物語でありますように」とメッセージを送った。(編集部・石井百合子)