【教え子に性器をこすりつけ…】わいせつ行為で逮捕の中学校教員が裁判で明かした「身勝手すぎる動機」
「’23年の4月に新しい中学校に異動しました。異動したことに対してのストレスや寂しさ。好意を持っていた男子生徒に会えなくなったことに対しての寂しさ。そういうことを紛らわせるために、元教え子たちを誘っていました」 「そ、そこイヤッ!」自らの行為を無修正で投稿…32歳女がわいせつ動画「戦慄の素顔」写真 複数の男子生徒にわいせつ行為や盗撮を行った元中学校教諭は、事件の背景には「寂しさがあった」と法廷で告白した。 元中学校教諭とは、性的姿態等撮影や児童ポルノ禁止法違反、児童福祉法違反などの罪に問われた外崎三吉(とざき・さんきち)被告(44)である。 ’23年10月16日、埼玉県警は、’19年に学校行事で訪れた群馬の温泉施設で男子生徒にわいせつな行為をしたとして、中学校教諭(’23年2月8日に懲戒免職)の外崎被告を強制わいせつの容疑で逮捕した。 この件は後に不起訴になったものの、押収した外崎被告のスマホには若い男性のわいせつ動画や静止画が1000点以上、保存されていた。そこには当時10代だった生徒や元生徒が映っていたという。 その後、外崎被告は、’19年から約4年間に行った男子生徒へのわいせつ行為や盗撮などで、5度逮捕されている。被害者は20人を超えた。 多くの被害者を出した外崎被告だが、勤務した中学校では吹奏楽部の顧問をつとめ、「全日本吹奏楽コンクール」に6度導くなど、有能な指導者として知られた存在だったという。また、県吹奏楽連盟の常任理事もつとめていた。 それだけに、「練習は相当に厳しかったようです。ミスをすると怒鳴られたり、暴言を吐かれたり。あまりの厳しさに退部したり、不登校になった生徒もいたと聞いています」と、元吹奏楽部部員の保護者は話す。 そして、’24年2月8日から始まった公判のなかで、外崎被告が行った卑劣な行為が徐々に明らかになった。 検察官の冒頭陳述などによると、 「被告人は’23年1月初旬、都内の温泉施設個室に元部員Aを誘い、Aの性器を触ったり、Aの性器に被告人の性器をこすりつけるなど、みだらな行為におよびました、また、同年5月初旬にも被告人が勤務する中学校を訪れたAに対して、もっぱら自己の性欲を満たす目的でみだらな行為をしています。そして、同年5月中旬には元教え子のBと栃木県内の温泉施設を訪れ、その一室において、密かに動画撮影状態にしたスマホでBの性器などを撮影しました。さらに同年5月下旬、埼玉県内の温泉施設の個室において、元部員Cの性器を触るなど、わいせつな行為におよんでいます」(検察官) 外崎被告は「Aに好意があった」と述べ、過去に学校内でAの性器を触ったこともあったという。そして各犯行の際には動画撮影状態にしたスマホでAを動画撮影していた。 被告人質問で、弁護人が「Bと旅行に行く前から、盗撮すると考えていたのか?」と質問すると、「いいえ。いっしょにお風呂にはいっているうちに、その模様を動画に撮りたいというような気持になってしまい、撮影してしまいました」と計画的なものではないと答えた。 そして、「すべての犯行は自分の性的欲求を満たすためです。犯行時に相手が拒絶しなかったので、自分のことを受け入れてくれていると解釈していました。しかしいまとなっては、圧倒的な力関係のなかで拒絶が難しかったのではないかと思うにいたりました」と述べた。 さらに被害者や被害者の保護者に対して「とりかえしのつかないことをしてしまったと、申し訳なく思っております。保護者の方にも、事前に温泉施設に行くことはお伝えして、許していただいたにも関わらず、このような結果になってしまい、申し訳なく思っております」と謝罪の言葉を口にした。 公判のなかでは、検察官が被害者の保護者の供述調書を一部、読み上げた。 「こういった被害にあったいまでも、被告人のことを、『吹奏楽を、ここまで好きになれたのは先生のおかげだから、嫌いになれない』と言っている。教え子として心配する恩師の目線で、卒業後も気をかけていてくれていたと思っていたのは自分たちだけで、被告人は最初から、被害者を性の対象として見ていただけだったのではないかと思うと、本当に悔しくて仕方がない」(Bの保護者の供述調書) 他の被害者の保護者も「被告人に裏切られた思いであって、絶対に許すことはできない」「被告人にたいする厳罰を希望する」と厳しい処罰感情が感じられた。 そして、異動先の中学校でも盗撮行為をやめることはできなかった。 ’23年7月に行われた、吹奏楽部の合同合宿に同行した外崎被告は合宿先のホテルの大浴場脱衣室において、密かに動画撮影状態にしたスマホで男子生徒4名の性器などを撮影し保存。 同年9月に実施された修学旅行では、宿泊先のホテルの脱衣所で、動画撮影状態にしたスマホを胸ポケットに隠し入れ、男子生徒16名の性器などを撮影し保存していた。撮影の際には盗撮用アプリを使用している。 もともと、「中学生くらいの男子生徒に性的な興味があったので、数年前から修学旅行の引率で、風呂場の見回りをする際に全裸の男子生徒らを撮影していた」のだという。 弁護人に「なぜ、盗撮をしたのか」と質問された外崎被告は、「性的欲求を満たすためでした。いけないことだとは分かっていましたが、バレないだろうという気持のほうが勝ってしまいました」と答えた。 そして、「中学校の大切な思い出の場である修学旅行や、合宿において、そのような取り返しのつかないことをしてしまったことにたいして、本当に申し訳ないと思っています」と頭を下げながら、謝罪の言葉を述べた。 ’24年5月7日に行われた論告弁論では、検察官は「自己の立場や影響力などを利用して、生徒ないし部員に対して行った悪質な犯行であり、常習性も顕著である」と指摘した上で、「動画撮影アプリを用いるなど犯行は手馴れており、再犯の恐れが高い。保護者も厳罰を希望しており、実刑判決が相当」と懲役4年6ヵ月を求刑。 一方弁護人は、「被告人は各犯行を十分に反省し、二度と同じような行為におよばないことを誓約している」と述べ、「家族の監督のもと、再犯プログラムを受けることで更生が期待できる」と執行猶予付きの判決を求めた。 そして’24年6月7日の判決公判。 中川卓久裁判官は「教師や部活動の顧問という影響力を利用して、みずからの性的な欲求を満たした犯行だ」と指摘し、3年の実刑判決を言い渡した。 最終意見陳述で「過去はもう変えることはできませんが、未来は変えられると信じて、これからは自分が大切な生徒を傷つけてしまったということを生涯忘れることなく、しっかり深く反省し、償いの気持ちを持って、生きていきたいと思っています」と、傍聴席に向かって深々と頭を下げた外崎被告。 一方、「息子に対する被害を知ってから、私たちの時間は止まったままです」と訴えるのは最初に被害届を出し、不起訴処分になった男子生徒の両親だ。 後編記事『「風呂に行こうと誘われ…」教師からわいせつ被害を受けた生徒の両親が打ち明ける「怒り」と「悔恨」』では、外崎被告からわいせつな行為を受けたという元生徒・D君の両親が外崎被告への怒りを打ち明ける。 取材・文:中平良
FRIDAYデジタル