衆院選の投票率、低すぎないか…?若者の「1票じゃ何も変わらない」を劇的に変える、ちょっとした一押しとは
投票率向上のための施策には、以下のようなことが行われている。 ・期日前投票の場所・時間の改善と、期日前投票自体の周知 ・センキョ割 ・主権者教育の推進 「センキョ割」は、センキョに行くと対象の店舗で割引が受けられるもので、全国津々浦々で様々な業種のお店がセンキョ割に参加していて、たとえば「コンビニでコーヒーが半額」「スーパーで5%割引」などがある。賢くお得に暮らすならぜひ活用したい制度だが、実施店舗がまだそこまで多くはない。 「主権者教育」は、「国や社会の問題に対して、自ら考えて行動していこう」という意識を子どもたちに、学校や家庭、自治体を通して育んでいこうというものである。若者の投票率が高いヨーロッパ各国では主権者教育が充実しているので、それに倣おうという狙いである。 他に、投票率を上げるものとしてネット選挙の導入がずっと議論されてきている。実現すれば若者の投票率は大幅に上がりそうな気配が漂うが、実現には技術的な問題や法律の改正などいくつかの要件があり、現段階ではまだ実用化まで時間がかかりそうである。 ● 若者に「手応え」を感じさせた 埼玉14区の大どんでん返し ところで、埼玉14区では、約6万票を獲得した公明党の石井啓一代表を押さえて、国民民主党の鈴木義弘氏が約7万票で当選した。組織票が強いと見られていた小選挙区で組織票が強みの候補者を押さえて、それ以外の候補者が当選したのである。 まさかのこの展開は、一部SNSで大きな称賛をもって迎えられた(特定の政党に関する支持・不支持は関係ない)。このような「手応え」が感じられる選挙だと、選挙に行くかどうか迷う層にも「自分の1票が意味を持った」という実感があるかもしれない。 こうした前向きな体験は若者の投票率を上げていくことに貢献するだろうから、ぜひ世代の中で共有していってほしいところである。若者の投票率が上がれば、政策の中に若者が入ってきて若者が活気づき、元気でいい国となり、筆者含む年長者の老後はより安泰に近づく。ぜひその方向で進んでいってほしい。
武藤弘樹