日本の映画料金「2000円」は他の国と比べて高いのか?ネトフリと比べて「割高」と思うユーザーも
「上昇率」で見ると高いとは言い切れない
その他の国を見ると、スイスが約20ドル、中国は場所にもよりますが約12~13ドル、香港は約10ドル、シンガポールや韓国は約9ドル、アメリカでは州によって異なりますが平均すると約7~8ドルぐらいです。 そして日本は約18ドルで、世界ランキングのトップ5に入るほど映画料金は高額となっています。アジアで最も高いチケット代が設定されているのが日本です。 こうして世界と比較すると、日本の映画料金は高いように感じますが、視点を変えると印象が少し変わるかもしれません。 というのは、「物価との連動で見ていくと、昔は映画代と散髪代は等価だった」と話す人がいるからです。例えば、1970年の映画料金は550円で、当時の理髪店で髪を切る料金も550円だったといいます。 時を経て、現在の映画の鑑賞料金は2000円で、日本の理容室の全国平均単価は2500円です(全国理容生活衛生同業組合連合会ホームページより)。このデータを踏まえると、映画料金のほうが料金の上昇率を抑えられていることになります。 一方、現在はさまざまなエンタメコンテンツが登場していますが、それらコンテンツの料金と比較すると、日本の映画料金が割安とは言い切れません。 例えば、Netflixで定額料金を払えば、劇場で映画を1回鑑賞する料金よりも安く、過去の映画やドラマ、新作のオリジナル作品が観られる時代。「映画料金は割高だ」と考えるユーザーの気持ちも理解できます。
「適正な映画料金」はいくらなのか?
映画料金に対しては、業界内でもさまざまな意見交換がなされてきました。 例えば、ある配給会社の社内会議では、都市部とそれ以外の地域の映画料金に差をつける案が過去、何度も議論されたといいます。 都市部は、映画館の賃料をはじめ、飲食店やコインパーキングの料金も総じて高いので、都市部の料金設定を上げ、それ以外の地域を下げることが提案されてきたのです。 海外においては、アメリカのように地方で5ドルで観られる映画が都心部では15ドルするなど、地域によって価格差があることは珍しくありません。 しかし、日本で一律料金が維持されているのは、分社化されていた映画会社の統一化(料金体系の一律化)と地方の映画館を救うという2つの大きな意味があるとされています。 映画料金の収益は、原則として配給会社と映画館で折半するので、料金を安くすると、劇場来場数が微増したとしても、劇場の収益が減る計算になるのです。
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