ハイテクIPO活況へ、来年は2倍超の件数に-ゴールドマンが予想
(ブルームバーグ): 新規株式公開(IPO)市場の活発化は、テクノロジー企業の上場増加につながると、ゴールドマン・サックス・グループの幹部、ウィル・コノリー氏は指摘した。先週ラスベガスで開催されたゴールドマンの会議の合間に語った。
ハイテク企業のIPO件数は2025年に「2倍以上に増える可能性が高い」と、同行でテクノロジー株式資本市場の責任者を務めるコノリー氏は予想。同年末までにIPOを実施する企業数は年平均並みの約34社になるとの見通しを示した。
「テクノロジー業界にはIPO候補となる注目の大型企業が大量に存在し、資金を投じたいという需要も多い」と同氏は説明。「IPO市場の活況に人々がどれほど速やかに適応できるかが問題だ」と続けた。
テクノロジー企業のIPOは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以降、なかなか回復できずにいる。スタートアップのバリュエーション低迷が足かせだ。ブルームバーグがまとめたデータによれば、ハイテクIPOでの資金調達規模は2021年に1600億ドル(約24兆6000億円)と記録的水準に達して以降、パンデミック前の10年間の年間平均である311億ドルを下回って推移している。
しかし、22年以降の大型ハイテクIPO企業の株価パフォーマンスは、優良企業への投資意欲が旺盛なことを示唆している。同期間に10億ドル超を調達した7社の株価は、加重平均で92%上昇していることがデータで示されている。同7社の中には、ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計会社アーム・ホールディングスや、同じくソフトバンクグループが出資するインドの料理宅配大手スウィギー、カザフスタンのフィンテック企業カスピなどが含まれる。
市場は「企業が列を成して上場を目指すという転換点」に近づきつつあるとコノリー氏。「企業は準備を加速させている」と話した。
「プライベートエクイティー(PE)投資会社が来年はIPOで有意な役割を果たすだろう」とした上で、「より伝統的なベンチャーキャピタルが支援する企業も出てくるだろう」と述べた。