<ブギウギ>スズ子と愛助が縁側で娘をあやす ラストシーンで“スズ子の幸せな夢”を描いた理由とは?
俳優の趣里さんがヒロインを務める2023年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(月~土曜午前8時ほか)。第86回(2月2日放送)では、恋人・愛助(水上恒司さん)の死を知ったスズ子の絶望と、悲しみを乗り越え、母として生きることを決意する姿が描かれた。ラストシーンでは、スズ子が見る“幸せな夢”が描かれたが、その狙いについて制作統括の福岡利武さんが語った。 【写真特集】まさに名場面! スズ子が「ラッパと娘」初披露 “スウィングの女王”誕生の瞬間!!
◇夢のシーンは笠置シヅ子の実話を参考に
第86回で、山下(近藤芳正さん)から愛助が亡くなった事実を聞かされたスズ子は、「ワテも死にたい」と口走るほど深く絶望する。そんな中、スズ子は愛助が最期につづった手紙を読み、娘のために生きる決意を固める。
娘の泣き声を聞いて我に返ったスズ子は、愛助が名付けた名前である「愛子」と娘を呼び、「お母ちゃんな、あんたと一緒に生きるで」と語りかけると、涙ながらに愛子を抱きしめた。
この直後、スズ子が「ラッパと娘」を歌いながら、愛助と自宅の縁側に並んで座り、愛子をあやす場面が映し出された。それは、スズ子が病室のベッドで見た夢で、夢の中では親子3人が幸せそうに笑っていた。
この場面について、福岡さんは「スズ子のモデルになった笠置シヅ子さんが、出産前に婚約者の吉本頴右(えいすけ)さんと舞台に立つ夢を見たそうなんです。『ラッパと娘』の夢を見たと本に書かれていました」と話し、笠置さんの実際のエピソードを参考にしたことを明かした。
「スズ子の夢をどこで見せるかについては、議論を重ねました。愛助と会えない時に、スズ子が夢で見て出産に臨むという表現もできましたが、2人が会えない時間をしっかり描きたいということで、『夢を見るなら出産の後にしようか』という話になりました」
出産後に夢を描くのであれば、「舞台で3人で踊っているような現実離れしたものではなく、日常の中で幸せをかみしめているような表現にしたかった」という。