黒沢清監督作での役柄に困惑? 刺激的な現場を振り返る『Cloud クラウド』出演・奥平大兼
今まで作品を作ってきた人たちと、もう一度仕事したい
――奥平さん自身のキャリアにおいて、本作はどのような一作になりましたか? 本当に刺激的な現場でした。菅田さんはもちろんですけれど、周りの大先輩の役者さんたちのお芝居を、間近で見ることができて、すごく勉強になりましたし、実際に面白かったです。例えば、吉井さんに解雇されるシーン。普通だったら対面して話すのに、後ろを向いていて、日常的には不自然なのですが、画として見たときに面白い演出が初めての体験だったんです。そういう意味でも、初めての感覚ばかりで、刺激的だったんです。 ――4年前のインタビューで「今後はいろんなキャラを演じたい。どんな役を演じてもしっくりくる、それを求められるような俳優になりたい」と答えていました。実際、そのような俳優になれていると思いますか? 4年前よりも技術的なことやいろんなことを吸収してきたので、そのときの純粋さみたいなものを恋しくなることがあるんです。その気持ちは忘れたくないですし、4年前の自分が言っているなら、できれば叶えてあげたいですね。 最近、「どういう役をやりたい」「どういう作品に出たい」という気持ちは、正直あんまりないんです。ただ、この4年間で、いろんな監督さんや共演者の方といろんな繋がりができたことの嬉しさがあるので、そんな今まで作品を一緒に作ってきた人たちと、もう一度お仕事できればと思っています。 奥平大兼(おくだいら・だいけん) 2003年9月20日生まれ。東京都出身。20年公開の『MOTHER マザー』で俳優デビューし、同作で「第44回日本アカデミー賞」新人俳優賞、「第94回キネマ旬報ベスト・テン」新人男優賞、「第63回ブルーリボン賞」新人賞などを受賞。23年公開の初主演作『君は放課後インソムニア』などでTAMA映画賞最優秀新進男優賞を受賞するほか、24年も『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』『赤羽骨子のボディガード』などの公開が相次ぐ。
くれい 響