第93回選抜高校野球 試合順延「恵みの雨」 智弁学園、相手に集中/天理、雰囲気良い /奈良
<センバツ2021> 第93回選抜高校野球大会は28日、第9日の準々決勝4試合が雨天中止となり、予定されていた天理と仙台育英(宮城)の対戦は29日の第1試合(午前8時半開始予定)に、智弁学園と明豊(大分)の対戦は同第3試合(午後1時50分開始予定)にそれぞれ順延となった。両校の選手たちは28日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)の室内練習場で約2時間にわたって汗を流した。【広瀬晃子、林みづき】 練習後、両校の監督と主将がオンラインで会見。天理の中村良二監督は「28日は達(孝太投手)を先発させる予定だったので、1日順延した分、恵みの雨になった。29日は、今までやったことを十分出してほしい」と語り、内山陽斗主将(3年)は「全員がやる気満々で来たので、中止になって驚いた。チームの雰囲気がすごく良いので、このままの状態で戦っていきたい」と意気込んだ。 智弁学園の小坂将商監督は、「日程的な面では恵みの雨。疲れをいかに残さないかが重要なので、チームにとって良かったと思う」。山下陽輔主将(3年)は「良いモチベーションを維持し、試合を想定したいつも通りの練習ができた。明豊の投手陣にも、つなげるバッティングで挑んでいきたい。目の前の相手に集中していく」と話した。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇県勢の準々決勝対戦校 仙台育英、盤石の戦力/明豊、打線に底力 天理が準々決勝を戦う仙台育英(宮城)=2年連続14回目=は1905年創立の私立校。30年創部の野球部は、夏の甲子園にも28回の出場歴を誇る常連校。89年夏、2001年春と15年夏に準優勝し、今大会で悲願の「日本一」を狙う。 昨秋の県大会から東北地区大会までの9試合に全勝し、東北王者の強さを印象づけた。須江航監督が「全国屈指」と太鼓判を押す投手陣は層が厚く、エース右腕の伊藤樹投手ら先発だけでなく中継ぎや抑えもできる投手がそろう。打撃陣も強力で、秋の公式戦チーム打率は3割6分7厘。東北地区大会決勝でともに満塁本塁打を放った秋山俊、吉野蓮両選手らを中心に高い得点力を誇る。盗塁や走塁を絡めた組織的な攻撃も得意だ。 智弁学園の相手となる明豊(大分)=3年連続5回目=は1999年創立の私立校で、野球部も同年創部。夏の甲子園には過去6回出場し、2001、09、17年にそれぞれ8強入りしている。春は19年に4強。 川崎絢平監督に「史上最弱」と言われたチームだったが、昨秋の九州地区大会では打線が底力を発揮、強豪相手に「終盤の逆転劇」を演じて見せた。189センチの長身から投げ下ろす角度のある直球に変化球も操る右腕・京本真、出場校でトップクラスの奪三振率を誇る左腕・太田虎次朗両投手の二枚看板が持ち味。打撃も4番の黒木日向選手を中心に、犠打飛を絡めて着実に得点する。