アメリカ大富豪がはじめた「剛腕ロビー活動」の中身がヤバすぎた…!イーロン・マスクがトランプにかけた「ケタ違いのギャンブル」の結果
トランプの「X」を復活させた
イーロン・マスクは、このW杯の決勝戦をクシュナーと観戦する2ヵ月前の2022年10月に、当時のレートで440億ドル(約6.4兆円)をかけて当時のtwitter(現X)を買収し、前経営陣が凍結したトランプのアカウントを22年11月に復活させました。 トランプのアカウントの凍結は、トランプが当時のtwitterなどSNS上で20年の大統領選挙の結果を不服とする支持者たちを煽ったことで、連邦議会議事堂の襲撃につながったためでした。しかし、イーロン・マスクは言論の自由こそ米国の最も重要な基盤であるという自身の政治信念に基づいてアカウント復活の決断を下しました。 トランプはアカウントの凍結解除後もしばらく活動していませんでしたが、23年8月から投稿を再開し、選挙戦が本格化してからは活発に投稿を行い、記事の執筆時点で彼のXアカウントは約9400万人のフォロワーを集めるまでになっています。
イーロン・マスクが得た「ケタ違いのリターン」
24年8月には、マスクともX上で2時間以上にわたってライブ対談をして、2500万回以上も閲覧される人気となりました。これも、Xのオーナーにして、世界最大の2億以上のフォロワーを誇るマスクが呼びかけたからこそでしょう。 マスクはこうしてSNS上でトランプとやり取りするだけではなく、トランプを支持するスーパーPACに200億円近い資金を投じ、さらに選挙戦の終盤となる24年10月にはトランプを支持する政治集会に参加して、ハイテンションな演説も行いました。 また、10月後半からは今回の選挙の趨勢を決めるとされた7つのスイングステーツ(激戦州)において、マスクのスーパーPACの活動方針に沿っているという観点から選ぶことにより、実質的にトランプの支持者に絞った形で毎日1人に100万ドル(約1.5億円)をマスクがプレゼントするという強烈な実弾攻撃も行いました。 果たしてその結果、トランプ再選が実現したのです。これにより、イーロン・マスクの狙いは見事に当たったわけですが、その見返りもまたケタ違いでした。 つづきは後編記事『トランプ当選でイーロン・マスクの資産がとんでもないことになっていた…!「トランプ大投資」の巨大リターンのヤバすぎる中身』でじっくりお伝えしていきましょう。
岡村 聡(S&S investments CEO)