『クレイヴン・ザ・ハンター』、ソニーの「スパイダーマン」ユニバース史上最低のオープニング興行収入に
『クレイヴン・ザ・ハンター』、ソニーの「スパイダーマン」ユニバース史上最低のオープニング興行収入に
映画『クレイヴン・ザ・ハンター』は予想通り振るわず、米国では3211館の上映で、オープニング週末の興行収入はわずか1100万ドル(約17億円)に留まった。 「クレイヴン・ザ・ハンター」画像・動画ギャラリー この数字は、ソニーのスパイダーマン・ユニバースにおける映画として史上最低のオープニングとなり、不名誉な記録を打ち立てることになった。R指定で公開された本作の興行成績は、「ヴェノム」シリーズ3作や2022年の『モービウス』(3900万ドル)に及ばなかっただけでなく、今年公開されて大惨敗となった『マダム・ウェブ』の1530万ドルをも下回った。 一方、北米以外では60の市場にて2万1500以上のスクリーンで公開されたが、興行収入は1500万ドル(約23億円)。北米の数字と合わせると、全世界で2600万ドル(約40億円)の売り上げとなっている。 『クレイヴン・ザ・ハンター』では、「キック・アス」シリーズやMCU作品で知られるアーロン・テイラー=ジョンソンが主演を務める。クレイヴンは動物界のあらゆる獲物を制した後、次なる標的としてスパイダーマンを狙う腕利きのハンターだ。監督のJ・C・チャンダーは公開に先立ち、「この映画にチャンスをください」とファンに呼びかけていた。 残念ながら、その願いは届かなかったようだ。推定1億1000万ドル(約169億円)もの製作費が投じられた本作は、ソニーのスーパーヒーロー映画としてまたしても失敗作となった。さらにマーケティングの費用を加えると、かなりの損失が予想される。 それだけでなく、『クレイヴン・ザ・ハンター』は批評面でも苦戦している。IGN USのレビューでは10点中3点をつけ、「『クレイヴン・ザ・ハンター』は観客を狙い撃ちにするつもりが、つたないアクションと、有害な男らしさについての薄っぺらい考察を完全に台無しにする陳腐な脚本で、自らの足を撃ち抜いてしまった」と評された。 では『クレイヴン・ザ・ハンター』は、ソニーの(スパイダーマンが登場しないことで知られる)スパイダーマン・ユニバースにとって、とどめの一撃となるのだろうか? ある有力なタレントエージェントは今月、The Wrapに対し、ソニーは「今のところ進めたい企画を進めた」として、代わりにマーベル・スタジオの「スパイダーマン」次回作に注力していると語ったとされる。「スパイダーマン」第4作については、主演のトム・ホランドも2025年に撮影が開始されることを認めている。ちなみに、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のオープニング興行収入は、北米で2億5300万ドル(当時のレートで約287億円)、全世界合計で5億8720万ドル(約667億円)だった。 スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム U-NEXTの無料トライアルで観る ↗ 公式にソニーのスパイダーマン・ユニバースに含まれているのは、以下の6作品。 『ヴェノム』 『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』 『モービウス』 『マダム・ウェブ』 『ヴェノム:ザ・ラストダンス』 『クレイヴン・ザ・ハンター』 このうち、IGN USのレビューで6点以上を獲得したのは『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』のみで、評価は7点。そのほかの作品は4~5点となっている。 少なくとも、ソニー・ピクチャーズは前述した「スパイダーマン」第4作の公開を控えている。こちらにはトム・ホランドが再び主演し、MCU版三部作に続く作品として、米国で2026年7月24日に公開予定だ。ホランドとしては、MCUにマイルス・モラレスを登場させるというアイディアも持っているようだ。 スパイダーマン:スパイダーバース U-NEXTの無料トライアルで観る ↗
Wesley Yin-Poole