（左から）細川徹、杉野遥亮、鈴木福 ©仲間りょう／集英社 ©WOWOW

　WOWOWにて7月12日より放送・配信がスタートする杉野遥亮主演の連続ドラマW-30『磯部磯兵衛物語～浮世はつらいよ～』のクランクアップレポートが到着した。 【写真】　『磯部磯兵衛物語』場面写真（複数あり） 　本作は、2013年～2017年に『週刊少年ジャンプ』で連載された仲間りょう原作の同名ギャグ漫画をWOWOWオリジナルドラマとして実写連続ドラマ化する令和の時代劇コメディ。江戸時代“っぽい”時代の、江戸“っぽい”町を舞台に、立派な武士になるべく、日々精進すると言いながら、あらゆることに無責任で努力をしない武士校生・磯部磯兵衛のぐうたらで突っ込みどころ満載な日常を描く。 　WOWOWのオリジナルドラマ初主演となる杉野が、最初から最後までまったく成長しない、ドラマの主人公としてはあるまじきダメな武士校生・磯兵衛役を演じる。そのほか、鈴木福、長濱ねる、マキタスポーツ、津田寛治、三宅弘城、檀れいらがキャストに名を連ねた。 　撮影最終日は、「刀屋」の看板がかかった店のセットが作られた東映京都撮影所のスタジオで、第6話「いい仕事してま候」のエピソードを撮影。監督を務めたのは、大人計画所属の作家・演出家の細川徹。主演の杉野も、「細川さんと聞いてぜひ出たいと思った」と言うほど全幅の信頼を置いている。そんな杉野が、本作のために特別に作られた磯兵衛のカツラを着用しながら、細川監督のテンポ感で撮影を進めていく。 　本作が京都の撮影所で撮影されたのには理由があった。時代劇を作り続けてきた、職人集団とも言えるスタッフたちに支えてもらうことで時代劇としての絵力が生まれ、コントではなくあくまでもドラマに仕立てることが狙い。武士役の俳優たちもこの撮影所の常連役者ばかり。そんな重厚感ある空気の中、杉野が軽い言い回しで「かたじけない」と言うだけで、絶妙なミスマッチが生まれる。「笑いを作るのは難しい」と悩み続けたという杉野だが、約2カ月の撮影を通して役をつかんだようだ。 　この日もモニター前とカメラ前を何度も行き来していた細川監督。ディレクターズチェアのかたわらには特大の水筒があり、監督が飲み干すたびにスタッフが中身を補充している。補充するスタッフに感謝を述べつつ、「これ（補充）ももう最後かな」と小声でつぶやいた細川監督。杉野も「2カ月もやってきましたからね。完全に終わった後に寂しくなるかもしれないな」とカメラセットの準備を待ちながらも感慨深げだった。 　加多奈大先生を演じるのは、数々の時代劇に出演してきたベテラン俳優・西園寺章雄。モニターを見るスタッフたちから、「（ギャグでも）品があるなぁ」とため息がもれる。撮影のラストカットは、刀をめぐって大騒ぎする武士たちを背後に、磯兵衛がキュートにカメラ目線を決める場面。女性スタッフたちがモニター越しに「磯兵衛かわいい」と目を細めていた。 　最後の収録は、「オンリー」と呼ばれる音声の単独収録。磯兵衛に絶叫してもらうため、細川監督自ら杉野とおしくらまんじゅう。「こんなことする監督いないよ！」と細川監督が大笑いする中、大団円で『磯部磯兵衛物語』は無事オールアップとなった。全スタッフが笑顔で見守る中、「大学に行きながら京都で撮影するというのは自分にとって挑戦でしたが、みんなでバカバカしいことをやれるのがとても幸せでした」と語った鈴木。そして主演の杉野は、「蓋を開けてみたら、東映京都撮影所との相性がとてもいい作品でしたね。途中からは、絶対にいい作品になるだろうなと確信していました。京都で撮れて本当によかったです」と座長として爽やかな笑顔で場を締めた。 　また、TVerとFODにて、本作全10話が見逃し配信されることが決定。WOWOWでの放送終了後に最新話が見逃し配信される。なお、WOWOWオンデマンドでは、7月12日23時からの第1話放送終了後に、全10話が一挙配信。WOWOWオンデマンドおよび、WOWOW公式 YouTubeチャンネルでは、7月5日17時より本放送・配信に先駆けて第1話が無料配信される。