神戸のベーカリーで、リピーター続出の「シュトーレン」4選 パンライターが推薦
毎年変わっていく「サ・マーシュ」
北野の「サ・マーシュ」(神戸市中央区)は、毎年味が違うのが特徴。「数年前、シュトーレンに、砂糖の代わりに余ったジャムを入れてみたんです。焼き上がった生地のしっとり感や香りが気に入って、それ以降、シュトーレン用に毎年農園から届いたフルーツでジャムを作り、配合するようになりました」とオーナーシェフの西川晃功さん。 お菓子、料理などフード全般に精通する西川さんならではとあって、アイデアは無限! 「今年はどんなおいしい驚きに出会えるのか」と毎年楽しみにしているファンも多数。ちなみに、2022年は洋ナシとオオタチバナのジャム、2023年は甘夏のジャムをシュトーレンに配合したそうです。今年の「シュトーレン2024」(3024円)は、広島県の大崎上島の横本農園から届けられる青レモンで作ったビターレモンジャムに生姜、レモンピールも一緒に合わせ、爽やかな仕上がり。
チョコレートをベースに「ブーランジェリーレコルト」
山陽電鉄大開駅に本店(神戸市兵庫区)を構え、JR神戸駅近くに2号店を展開する「ブーランジェリーレコルト」。臨床検査技師として病院で働いていたという異例の経歴を持つオーナーシェフの松尾さんが作るのは、「ショコラ・シュトレン」(3780円、ハーフ1944円)。 「クーベルチュールがいい塩梅に生地に馴染んで。濃厚でありながらすっきりした酸味があとに広がるチョコレート味です」。使う小麦は、栄養価の高い古代小麦である、アインコーンとスペルト小麦の2種だけ。それに鹿児島県産の未精製糖、室戸の海洋深層水100%の海塩、自家製酵母。さらに、クーベルチュール、赤ワインで煮たいちじく、ラム酒につけたレーズン、柚子皮、カルダモンを練りこんで…奥行きが広がる味わいに。
スパイスは控えめに「コドモべーカリープラス」
2024年10月9日にリニューアルオープンしたJR甲南山手駅の「コドモべーカリープラス」(神戸市東灘区)。国産小麦、自家製粉の有機全粒粉、有機ドライフルーツ、平飼い有精卵といった厳選素材を使っていましたが、今回のリニューアルを機にさらに素材を探求したそう。 濃厚でジューシー、希少なサヤキレーズンをふんだんに使用した「シュトーレン」(1800円)は、バターの芳醇な香りとともにレモンピールなどフルーツの爽やかさ、シナモンなどのスパイスも優しくふわりと。スパイスはちょっと苦手という方にも食べやすい味わいに仕上がっています。 それぞれの特徴が楽しい「シュトーレン」、食べ比べてみてはいかが。 取材・文/いなだみほ