互いのよさを引き立て合う、バラ×宿根草ガーデン
バラが最盛期を迎える春は、庭の主役はやはりバラ。宿根草はわき役として活躍するものを選ぶと、バラの美しさが引き立ち美しい風景になります。『趣味の園芸』5月号の特集・バラとずっと「あなたの庭がもっと輝く! バラ×宿根草ガーデンのすてきレシピ」より、一部を抜粋してお届け。
バラのわき役の条件
バラが主役になる春は、宿根草はわき役として活躍するものを選ぶと、バラの美しさが引き立ちます。わき役の条件は、バラの花色にない「ブルーの花」、バラより小さい「小輪の花」がおすすめです。
【ブルーの花の一例】 フロックス'モントローザ・トリカラー'。淡いブルーの花のみならず、低温期にピンク色に紅葉する斑入りの葉も美しい品種。開花期は3月~5月。
【小輪の花の一例】 アキレア。暑さ、寒さ、乾燥に強く土を選ばず丈夫に育つ。花色は白、赤、黄、ピンクなどさまざま。開花期は5月~8月。
宿根草とは?
宿根草とは、一度植えると、何年も花を咲かせてくれる草花。植えっぱなしでよい丈夫なものも多く、手入れの手間が少なくてすみます。花後、地上部は枯れるものと、緑のまま冬を越す常緑性のものがあります。ワンシーズンで寿命を迎える一年草と比べると長生きですが、宿根草も6~7年で生育が悪くなるものもあるので、年数がたったものは株分けしたり、こぼれダネで発芽した子株をとっておくとよいでしょう。
植え替えなしで、一年中きれいがかなう宿根草の選び方
宿根草は種類が多く、丈夫で何年も楽しめ、あまり手がかからないのが魅力です。 春のバラの最盛期に一緒に咲いてくれるものもあれば、夏以降のバラの端境期をつないでくれる耐暑性に優れたものもたくさんあります。ですから、バラの最盛期には宿根草はわき役として、バラの端境期には宿根草が主役として活躍してくれるものを選ぶと、1年を通して庭を美しく保つことができます。 バラと宿根草を組み合わせると、互いのよさが引き立ち合い、もっと庭が輝きます。5月号では、造園家の阿部容子さんた、荒れがちな夏以降の庭も美しく保てるとっておきの庭づくりレシピを教えていただきました。阿部さんの自宅の庭の植栽を例に、バラの最盛期とその後の展開を見てみましょう。 教えてくれた人/阿部容子(あべ・ようこ) 造園家。岐阜県可児市を拠点とし、公共、企業、個人の庭を全国各地でデザイン&施工。バラと宿根草の庭を多数手がける。ぎふ国際バラコンクール審査員として岐阜県「ぎふワールド・ローズガーデン」でも活動。 ●『趣味の園芸』2024年5月号 特集・バラとずっと「あなたの庭がもっと輝く! バラ×宿根草のすてきレシピ」より