刺殺された男性の長男と結婚しながら次男とも肉体関係『異常な関係性』の一族を支配する長男の妻 父親殺害を次男に指示した「霊媒師JUN」の正体とは
敦子被告はその後、直哉被告の実兄である隆一さんの長男と結婚するが、長男とも次男の直哉被告とも肉体関係があった。 その後、実母の売春は直哉被告らの協力を得て美人局に発展。2013年頃には生活に困窮していた敦子被告の元夫やその妻なども美人局に加担した。 こうして、敦子被告を頂点とし、生活費などのため敦子被告に依存・服従する「異常な関係性」のグループが構築されたのだという。 検察は直哉被告の敦子被告への思いを「愛」と表現し、直哉被告が隆一さん殺害を実行した理由については「敦子被告への呪いを解くとともに、愛する敦子被告との生活を続けるためだった」などと指摘した。 ■敦子被告は、なぜ隆一さんを殺害したかったのか しかし、敦子被告を頂点としたグループにある日、ほころびが生じる。直哉被告の実母がグループからの離反を企てたのだ。敦子被告と直哉被告らは美人局などの証拠隠滅と生命保険金を目的に、実母の殺害を計画するも失敗。その過程で敦子被告らは、隆一さんが元妻である直哉被告の実母に逃走資金を援助したうえ、美人局などの犯罪行為についても何か知っているのではないかと疑うようになったという。 検察側は敦子被告の殺人の動機について、「報復と口封じ、さらに遺産の獲得を狙って隆一さんの殺害を決意した」と指摘した。 ■弁護側が主張「敦子被告と『霊媒師JUN』は別人」 一方、争点を巡り弁護側の主張は検察と真っ向から対立した。直哉被告の弁護人は「敦子被告と『霊媒師JUN』は別人」と指摘。「直哉被告はあくまで心酔する『霊媒師JUN』の指示を受けて隆一さんの殺害に至っていて、敦子被告と共謀した認識はない」と述べた。 このほか、「直哉被告は昔から霊的な存在が見えていて、何らかの精神疾患を抱えている可能性がある」などとして、犯行当時、責任能力に問題があったと主張した。また、敦子被告の弁護人は、「敦子被告は殺害の指示を出していないし殺意や殺害の動機もない」と話した。
■判決は11月25日 2人の裁判員裁判では合わせて11回の公判が開かれる。証人尋問には直哉被告の実母や敦子被告の元夫などに加え、2人のスマホの解析を行った警察官も出廷する予定だ。隆一さん殺害の首謀者は一体誰なのか。そして、殺害の指示を出したとされる「霊媒師JUN」の正体は。 複雑怪奇なこの事件、11月25日の判決公判までに、全ての真実が明らかになるのだろうか。
東北放送
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