刺殺された男性の長男と結婚しながら次男とも肉体関係『異常な関係性』の一族を支配する長男の妻 父親殺害を次男に指示した「霊媒師JUN」の正体とは
弔問客が帰ると、2人を含む家族と親族は通夜のため葬儀場の奥へと入っていった。 一夜明け、葬儀場の玄関先。コーヒーを片手に外に出てきた2人は何食わぬ顔で、たばこを吸った。時間をおいて、たばこを吸いに何度も外に出てくる。隆一さんの殺害からわずか4日後のことだった。 ■ようやく始まった裁判員裁判、殺人の争点は「共謀の有無」 2023年8月の逮捕から約1年3ヵ月が経った11月5日、ようやく2人の裁判員裁判が始まった。 直哉被告は紺色のジャージ姿で黒髪のスポーツ刈り。敦子被告はどこか落ち着かない様子で入廷し、少しやつれたのか、チャコールグレーのスーツが少し大きく見えた。 裁判長から認否を問われると、直哉被告は殺人の罪を認めたものの、敦子被告との共謀を否定。 また、敦子被告は、「共謀も殺害もしていない」と殺人の罪を否認した。そのほかの証拠隠滅教唆、詐欺、詐欺未遂については2人とも起訴内容を認めた。 ■直哉被告に殺害指示「霊媒師JUN」の正体は? その後始まった検察の冒頭陳述では、驚くべき指摘があった。直哉被告は「霊媒師JUN」という人物からのLINEの指示で隆一さんを殺害したのだという。そして、「霊媒師JUN」に成りすましていたのは他でもない敦子被告だったというのだ。 検察によると、「霊媒師JUN」に成りすました敦子被告は「敦子被告に呪いがかけられている。隆一さんを殺害しなければ敦子被告が死んでしまう」などといった旨のLINEを直哉被告に送信。直哉被告は敦子被告への呪いを解こうと、隆一さんの殺害に至ったのだという。 ■敦子被告を頂点とする「異常な関係性」のグループ 直哉被告はどうして隆一さんの殺害に至ったのか。検察は、敦子被告に依存・服従する「異常な関係性」のグループが存在していて、直哉被告も敦子被告の「支配下」にあったと指摘した。 「異常な関係性」のグループの始まりは2008年頃。敦子被告は、パチスロ店で知り合った直哉被告の実母に因縁をつけ、売春を強要し実母から金を巻き上げていた。直哉被告はその過程で敦子被告の「支配下」に取り込まれたのだという。
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