住民参加はわずらわしい? 傍聴で自由に撮影・録音できる議会3%
早稲田大学マニフェスト研究所は全国の地方議会でどのくらい議会改革が進んでいるか、2010年度からアンケート調査を続けています。「議会改革度調査2015」は、「情報共有」「住民参加」「議会機能強化」の3つの観点に分けて、回答結果を数値化し、発表しました。その中から「住民参加」をみていきます。
本会議の傍聴「無条件」 でも、名前・住所の記載必要9割
「住民参加」では、議会の傍聴のしやすさや議会報告会等の実施、住民からの意見受付がどのようになっているか、また未成年を対象とした主権者教育などシティズンシップ推進のための取り組み、参考人招致や、公聴会の実施などを調べています。 では、住民が議会を傍聴したいと思ったとき、全国の地方議会はどのくらい開かれた環境になっているでしょうか。 本会議の傍聴で「無条件で公開している(傍聴人名簿の記載は含む)」議会は93.9%、「議長の許可が必要(申請書類が必要な場合)」という答えは3.7%でした。しかし委員会になると「無条件」の比率は下がり、最も高い常任委員会(53.2%)で約半数、全議員が集まり、市長などの執行部から説明を受け、意見を述べ、県政や市政全体を議論する全員協議会と予算審査の特別委員会は37.6%まで下がりました。全員協議会は「非公開」としているところも2割以上になります。 また本会議の傍聴にあたり、傍聴人名簿に「名前」の記入を求めるところは93.4%と大多数で、「住所」(88.8%)を書かなければならない議会も9割弱、「電話番号などの連絡先」を必要とする議会も42カ所(2.9%)ありました。「特になし」は4.4%のみでした(グラフ1)。
傍聴者が「自由に撮影・録音できる」議会 わずか3%弱
傍聴しやすくするための工夫はどのようになっているでしょう。庁舎内のモニターで会議の様子を中継している議会は半数以上ありましたが、傍聴者が「自由に撮影・録音ができる」のは38議会(2.7%)、「自由にパソコンなどの機器の持ち込みができる」は54議会(3.8%)とごく少数で「キッズスペースや親子傍聴席がある」ところも2.2%しかありませんでした。