昨年10月の改正で酒税UPした「第3のビール」とビールの価格差はどれくらいになった?
2023年10月に酒税改正が行われ、ビールの酒税が6円引き下げられた一方、第3のビールは9円あまりの引き上げとなりました。ビールと第3のビールの酒税の差が狭くなったことで、小売価格にも影響が出る可能性があるでしょう。 本記事では、2023年10月の法改正の内容から、ビールと第3のビールの価格差がどのように推移していくかを試算します。
2023年10月の法改正でビールと第3のビールの価格差が縮まった
2023年10月1日に酒税法が改正されて、ビール系飲料の酒税が変更されました。財務省の「酒税に関する資料」より、2020年10月以前からのビール系飲料350mlあたりの税率の推移は【表1】のとおりです。 【表1】
※財務省「酒税に関する資料」をもとに筆者作成 改正により、ビールは6.65円の値下げ、第3のビールは9.19円の値上げとなっています。なお発泡酒の酒税に関しては、2020年10月以前から変更ありません。 ■小売価格はどのように変動した? 酒税が改正されたことにより、ビール系飲料の小売価格がどのように変動していくのかを、過去の酒税改正時のデータから試算してみます。 総務省統計局の「小売物価統計調査年報 2020年」によると、ビール系飲料の小売価格の動きは【表2】のとおりです。なお【表2】では、東京都区部の350ml×6缶の価格を1本分に割って、小売価格を算出しています。 【表2】
※総務省統計局「小売物価統計調査年報 2020年」をもとに筆者作成 2020年10月の法改正による小売価格の動きは、ほぼ法改正による税率の動きと連動しています。そのため、2023年10月以降の小売価格が税金の変動と連動する場合、次のようになると考えられます。 ・ビール:約188円-6.65円=約181円 ・発泡酒:約136円(税率の変動なし) ・第3のビール:約124円+9.19円=約133円 改正前よりも、さらにビールと第3のビールの価格差が狭くなったことが分かります。